「微調整」のポーズで、目標を達成するまでの軸を作る。【Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方】
完成した形にばかり目がいきますが、到達点に至るまでに、どれだけの努力や工夫が必要になるでしょう。
そこに気づける人になりたいですね。
そこに気づける人になりたいですね。
撮影・森山祐子 構成&文・越川典子
〈微調整〉“カラダもココロも日々、微調整をくり返すことが人生。”
ウォーリアのポーズは、別名、戦士のポーズ、英雄のポーズとして有名ですね。実はこのポーズ、ⅠからⅣまであって、連続して行うこともあります。どれも両足を地面につけて行うのですが、今回紹介するⅢだけ、片足で立つ、不安定なポーズなんです。
私たちは、ふだん立位で生活しています。片方の足だけで立ち、しかもカラダを床(地面)と水平に保つことは至難の業です。イメージでは「カラダは水平になっているはず」と感じても、実際に鏡を見ると、脚が下がっていたり、腰が反ってしまったり。
まず、足をしっかり地につけ、根を張るように安定した状態を作ります。これは、グラウンディングといって、カラダもココロもぶれることのない人生の指針とも言えるヨガの概念です。
その上で、立っている脚は真っ直ぐになっているか。お腹や背中は平らになっているか。上げた足先は地面を指しているか。目線は正面を見ているか。目標の形へ向かって微調整を重ねていくのですが、完成した形よりも、この微調整の過程こそがキモなんです。
仕事でも人間関係でも、ぶれることってありますよね。揺らいだ気持ちを奮い立たせたり、行き過ぎかなと感じたら心を鎮めたり。ある目標に達成するまでの微調整の過程が、私たちを鍛え、軸を作っていく気がします。
ウォーリアⅢ
両足をそろえて立ち、右足を前に出して両手を頭の上で合わせ、右ひざを曲げながら前傾し、左足を上げます。腕と左脚が床と水平になったら、右脚を真っ直ぐに伸ばします。深い呼吸で8秒キープ。反対側も同様に行います。1日1回。
『クロワッサン』1107号より