蒸した大豆を米麹で発酵させて作るのが味噌。大豆を麹菌が分解し、蔵や樽、空気中にすみつく乳酸菌、酵母が加わり、熟成していきます。元々体にいい食材である大豆のたんぱく質がアミノ酸に変わり、強い旨みとなるだけでなく、吸収もよくなります。
分解されて熟成された味噌は含まれているアミノ酸や糖がメラノイジンという色素成分に変わり、濃い色に変わっていきます。このメラノイジンは抗酸化物質で、老化や細胞の変異を抑制するという研究も進んでいます。
大豆を皮ごと使うので、不溶性食物繊維をムダなく摂れるのもメリットです。
味噌の種類は使われる麹の種類によって異なり、最も一般的な米味噌は米麹を使い、塩の量や熟成期間でいろいろな種類が作られています。
通常は蒸して使う大豆をゆでて、麹を多めにすることで甘めに仕上げたのが白味噌です。
これに対し、米麹ではなく、豆麹と呼ばれる蒸した大豆に種麹を繁殖させて、大豆だけで作るのが豆味噌、蒸した麦に麹菌を繁殖させた麦麹を使うのが麦味噌で、日本の味噌はこのいずれかです。
どの味噌も麹菌の力で大豆が分解され、体に活用されやすい状態に変わっているのは同じですが、色や香り、成分にはそれぞれ違いがあります。
味噌作りに使われる麹は麹菌が豊富で、味噌を発酵熟成している間にも活動を続け旨みを増します。
一方で、塩分が多いことも忘れてはいけません。体にいいからと味噌ばかり摂るのではなく、他の食材のアシスト役として適量を摂りましょう。