俯瞰とは、高いところからものごとを眺めること。全体を把握すること。広い視野をもつ、あるいは視座を変えることは生きるために必要なことです。
もし、仕事上の悩みがあるとしたら、まず会社全体を、次に業界全体を眺めてみましょう。もっと言えば、世の中がどんなふうに変化しているのか、人の気持ちがどんなふうに動いているのか考えてみる。
すると、こだわり続けていることが些末なことと感じたり、自分の意思で歩んでいるはずの道が、ゴールとはずれていることが見えたりすることがある。つまり、大局をつかむことであらたな気づきを得る可能性があるからなのです。
もう一人の自分が、上のほうで自分を見ている。そんな感覚、持ったことがないでしょうか。たとえば、神社の境内でガムの包み紙をポイッと投げ捨てる人はあまり見かけませんね。それは、どこか上のほうで神様やお天道様が見ている。神様やお天道様でなくても、自分が見ている――そういう視座が、日本人のカラダにしみついている気がしています。
この感覚を理解できなくても、スカイダイビングのポーズをとれば、あなたはもう空の上にいます。下を眺めれば、人間が、自分自身が小さく見えています。そう実感できたとき、自ずと視野が広がっているはずです。