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突然の足のつりに慌てない、正しい対処法と心がけたい日頃の習慣。

いつもと同じように活動していても、突然の痛みに襲われることも。
足のつりは体の不調を教えてくれるサイン!と捉え、日頃の生活習慣をきちんと振り返ってみることが大事。
明治国際医療大学鍼灸学部教授の伊藤和憲さんに、対策を教わります。

イラストレーション・小林マキ 構成&文・中條裕子

突然の足のつりに慌てない、正しい対処法と心がけたい日頃の習慣。

【足のつり】就寝中に襲われても、冷静に的確に対処を。

[原因]筋肉量の低下や栄養不足も起こりやすくなる要因に。

睡眠中の発汗などで体内のミネラルが排出されてしまう、というのは足のつりでよく言われることではあるが……。

「もちろん対策は必要ですが、そこまで神経質にならなくても大丈夫かと。寝違えと同じく、筋肉が使いっ放しのままで硬くなり血流が悪くなっていると起こりやすいので、お風呂に入りマッサージなどで緩めながら、血液の循環をよくしておくことが第一です」

栄養不足で血液が不足したり流れが滞ると、体の隅々まで栄養分が届かず起こることも。また、体の冷えや年齢に伴う筋肉量の低下も引き金に。いずれも適度な運動と食生活がリスク軽減の鍵。

[対処法]筋肉の緊張をほぐして足を温めたら優しくマッサージ。

足のつりは寝ている間に突然襲われることも多く、つい気が動転してしまいがちだが、とりあえずは筋肉の緊張をほぐすことが肝心。筋肉が過度に収縮した状態がそのまま続くと、痛みが長引いてしまうことになりかねない。まずは足の力を抜いて、足首をゆっくりまわす。ちょっとひと息ついたら、

「膝を伸ばした状態で座り、つった足のつま先を持ってゆっくり手前に引いてください。その際に足裏にタオルを当てながら行うと、やりやすい。あとは、壁に足をつけて押しながら、ふくらはぎをゆっくり伸ばすのも効果的です」

筋肉の緊張を緩めてくれる軽いストレッチを行った後は、足のつった部分を蒸しタオルで温めたり、優しくさする程度の力でマッサージを。

【これはNG!】痛みを我慢することでつらさは長引いてしまう。

まずは緊張をほぐしつつ、ゆっくり動かす。無理に引っぱったり伸ばしたりすると緊張が強くなることが。じっと耐えるのもよくないので、痛みのピークが過ぎたら、筋肉を温めたりほぐすなどを試みて。

ふくらはぎの筋肉を緩めるように、つま先を持って手前に引く。
ふくらはぎの筋肉を緩めるように、つま先を持って手前に引く。

日頃から心がけておきたいこと。

●ストレッチ・疲労回復 
一日の疲れを取る意味でも、寝る前に足首を動かしたりストレッチをすることが大切。特にお風呂の中や風呂上がりの筋肉が温まり体の循環もよい時に行うと疲労回復も早い。

●冷え対策 
寝る前にお風呂に入り、筋肉を温めてから横になる。冷房がきつかったり、寒さを感じる時には靴下やカイロで足を温める。

●ストレスケア
ふくらはぎの筋肉は特にストレスに敏感で緊張しやすく、循環が悪くなったり疲労物質が溜まりがち。アロマやハーブで気分転換したり、ツボ押しなどで日頃からストレスを溜めないようにする。

●水分・電解質を摂る
運動した後や汗をかいたら水分や電解質(カリウムなど)を適度に摂る。家にいても蒸し暑い日は汗をかいていることが多いので、寝る前にコップ1杯の水分補給を。

  • 伊藤和憲 さん ( いとう・かずのり)

    明治国際医療大学鍼灸学部教授

    東洋医学における効果効能の科学的な立証をめざし、セルフケア指導など啓発活動に取り組む。著書に『今日からはじめる養生学』など。

『クロワッサン』1093号より

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