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肩こり改善への近道! 10秒の「脇もみ」で肩への負担をリセット!

長時間同じ姿勢を続けていると、血行が悪くなり、全身の不調を招く。
そこでたった10秒取り入れるだけで、コリや痛みから解放される簡単リセット法を紹介!
ボディワーカーの藤本靖さんに、筋肉をほぐして整えるアプローチを教わります。

イラストレーション・中島陽子 文・鈴木恵美

現代女性が普段感じている自覚症状の第1位である肩こり。肩を揉めば一時的に良くなるかもしれないが、それでは根本の改善にはつながらない。

「大事なのは、脇の筋肉『前鋸筋』の働きを良くすることです。本来、腕は肩甲骨を介して、前鋸筋に支えられています。しかし、日常生活で腕を大きく動かす機会が減ったことで、前鋸筋の働きが鈍くなり、片方で約4kgもある腕の重さが、肩にダイレクトにのしかかり、肩こりを加速させているのです」

そこで本来の機能を取り戻すために、前鋸筋を動かすストレッチを行うことが、肩こり改善への近道!

「脇に触れて刺激することで、自然な前鋸筋の動きを引き出すことができます。さらに前鋸筋が適切に動く状態で、腕をぐるぐる回すと、筋肉が本来の力を発揮し始めます。すると肩周りの筋肉の余計な緊張が抜けて、肩が自然と下がり、肩こりとサヨナラできます」

肩こりの原因は?

不良姿勢からくる過度な筋緊張も肩こりにつながるが、普段なかなか動かす機会がない脇の筋肉が働いていない…

不良姿勢からくる過度な筋緊張も肩こりにつながるが、普段なかなか動かす機会がない脇の筋肉が働いていないのも主な原因。脇の筋肉が使えないと腕の重さが肩にのしかかり、肩こりに。

[基本の動き]肩こり解消の要となる「前鋸筋(ぜんきょきん)」を動かす!

【10秒リセット】

左手で右脇を押さえ、右肩に右手を当てて、ひじを内回りに大きく回す。視線は常にひじを追いかけ、膝の屈伸…

左手で右脇を押さえ、右肩に右手を当てて、ひじを内回りに大きく回す。視線は常にひじを追いかけ、膝の屈伸運動も無理のない範囲で自然に加えながら、全身を使って大きく回していく。外回りも行ったら、反対の脇も同様に回す。

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自然と肩の力が抜けて胸が開き、頭もすっきり。上半身が伸びやかになり、姿勢も良くなる!
自然と肩の力が抜けて胸が開き、頭もすっきり。上半身が伸びやかになり、姿勢も良くなる!

【応用】脇タオル

フェイスタオルを(1)(2)の順に畳んで丸め、両脇にはさんで前鋸筋を刺激。呼吸に合わせて肋骨が動くの…

フェイスタオルを(1)(2)の順に畳んで丸め、両脇にはさんで前鋸筋を刺激。呼吸に合わせて肋骨が動くのを感じて。座った状態で行っても。

本来の機能を取り戻し、動きたくなる体に!

肩こり改善への近道! 10秒の「脇もみ」で肩への負担をリセット!

何もしていないのに、首や肩が痛んだり、腰痛を覚える人が続出している。コリや痛みは体からのサインとし、それらを10秒で簡単にリセットできる方法をレクチャーしてくれたのはボディワーカーの藤本靖さん。

「テレワークやおうち時間が増えたことで長時間座りっぱなしでいたり、スマホ操作や寝転がってテレビを観るなどの不良姿勢……。現代生活の習慣はどうしても体の歪みを引き起こしやすい。
結果、筋肉が緊張して血管や神経が圧迫され、血行不良を起こし、体内に疲労物質が蓄積してしまいます。
もともと人間は二足歩行の動物で、座りっぱなしなど現代生活に対応できるような構造ではありません。歪んだ体のポジションを正し、機能を取り戻すために今回のリセットを行うと、深層筋がうまく使えるようになり、つまりやコリから解放され、体が自由に動かせるようになります」

今回紹介したのは人間の体がもともと持っている力を呼び起こし、うまく使えるようにするリセット法なので、簡単かつ負担のない動きで効果を実感できる。

「体がもともと持つ機能は歳を重ねても磨き続けられます。仕事や家事の合間にできる動きばかりなので、朝昼晩のスキマ時間に行えば、体も軽くなるはず。お風呂上がりの就寝前に行えば、筋肉の緊張が緩み、自律神経が整うので、眠りの質も変わってきますよ」

  • 藤本 靖

    藤本 靖 さん (ふじもと・やすし)

    ボディワーカー

    東京大学大学院で身体教育学を専攻。ボディワークの国際的な認定資格「ロルフィング(R)」取得。著書に『肩こりには脇もみが効く』(小社刊)など。

『クロワッサン』1086号より

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