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すでにある腰痛にも効果を発揮、体のクセを直す姿勢と歩き方。

腰痛を改善するいちばんの近道は、正しい姿勢で歩くこと! 
かたくなった筋肉をほぐして整えるアプローチを教わります。

撮影・小川朋央 文・黒澤 彩

(正しく歩くための STEP 1)足をほぐすことが、いい姿勢をつくる基本。

ここからは、すぐに始めたい腰痛改善メソッドの実践編。KAORUさんによれば、身についてしまった姿勢のクセは「マイナス姿勢」。それをリセットして正しい姿勢で歩けるようになるために、まずは腰痛に関わる足の筋肉をほぐすところから始めよう。

「誰でも手軽にできるエクササイズとして、テニスボールを使った筋肉ほぐしをおすすめします。アプローチしたいところをピンポイントで刺激でき、大きな筋肉の部分は筋繊維に沿ってボールを動かしていきます」

ボールを押し当てたときに痛いと感じる部分は、筋肉が使われておらず、かたくなっている証拠。ほぐすエクササイズを継続していくことで、痛みが軽減されていくのを実感できるはず。

適度な弾力があり、筋肉をほぐすのにちょうどいいテニスボールを一家に一球。
適度な弾力があり、筋肉をほぐすのにちょうどいいテニスボールを一家に一球。

【足の裏】

歩くときに全体重を支え、バランスをとる足裏。縦横のアーチがきれいなカーブを描くように、テニスボールを踏んで転がすトレーニングを。

[ 横アーチ ]

足指の付け根のくぼみにボールを当て、かかとは床につける。ボールを足指でぎゅっと包むようにしてから、指をパッと開いて離す。ボールを掴んで離すグーパーの動きを左右5回ずつ。
足指の付け根のくぼみにボールを当て、かかとは床につける。ボールを足指でぎゅっと包むようにしてから、指をパッと開いて離す。ボールを掴んで離すグーパーの動きを左右5回ずつ。

[ 縦アーチ ]

足を前後に少し開いて立ち、前の足の指の付け根あたりにボールを当て、足指でボールを掴む。前の足を踏み込むようにして、足裏の縦アーチに沿ってボールを転がす。これも左右5回ずつ行い、足底筋群へ刺激を与える。
足を前後に少し開いて立ち、前の足の指の付け根あたりにボールを当て、足指でボールを掴む。前の足を踏み込むようにして、足裏の縦アーチに沿ってボールを転がす。これも左右5回ずつ行い、足底筋群へ刺激を与える。

【外すね】

膝からくるぶしまでのすねは、中央に骨があってほぐしにくい部位。小さなテニスボールなら、細い筋肉にもアプローチできる。

横座りし、すねの外側にボールを当て、重みを加える感覚で内側に手を添える。すねの筋肉に沿わせるようにボールを動かして、膝下から足首までボールを当てていく。左右1往復ずつ行う。
横座りし、すねの外側にボールを当て、重みを加える感覚で内側に手を添える。すねの筋肉に沿わせるようにボールを動かして、膝下から足首までボールを当てていく。左右1往復ずつ行う。

【外もも】

骨盤を支え、姿勢づくりの上で大切な筋肉。ここをほぐすだけで足の長さが変わるほど伸び縮みしやすい。

横座りし、片方の手をついて体を支える。膝の外側にボールを当て、もう一方の手でイタ気持ちいいくらいの強さで膝をぐっと押して10秒キープ。ボールをおしり側にずらしながら4〜5カ所で10秒ずつ押す。左右1回ずつ行う。
横座りし、片方の手をついて体を支える。膝の外側にボールを当て、もう一方の手でイタ気持ちいいくらいの強さで膝をぐっと押して10秒キープ。ボールをおしり側にずらしながら4〜5カ所で10秒ずつ押す。左右1回ずつ行う。

【ふくらはぎ】

全身に血液を送るポンプの役割をするところ。筋肉がかたくなっていると腰痛や膝痛になりやすいので、柔らかくほぐしておきたい。

足を伸ばして座り、後ろに手をついて体を支える。膝裏のすぐ下あたりにボールを当て、おしりをずらしながら前後に揺れて足首までボールを動かしていく。反対の足を乗せて重みをかける。左右1回ずつ行う。
足を伸ばして座り、後ろに手をついて体を支える。膝裏のすぐ下あたりにボールを当て、おしりをずらしながら前後に揺れて足首までボールを動かしていく。反対の足を乗せて重みをかける。左右1回ずつ行う。

(正しく歩くための STEP 2)歩くための筋肉を伸ばして整えるストレッチ。

筋肉をほぐして柔らかく使えるようになっていくと、歩くときの正しい姿勢がラクにできるようになり、自然に股関節を動かす歩き方になる。その姿勢を定着させるために、もう1ステップ、筋肉を伸ばして整えるストレッチを取り入れてみよう。ヨガやピラティスから着想を得たもので、体に大きな負荷がかかることもなく、家でリラックスした状態でできる。

「筋肉は動かさずにいると、すぐに元のマイナス姿勢に戻ってしまいます。正しい姿勢を体に覚えさせ、全身のバランスを整えるために、簡単なストレッチを日課にしましょう。目安として回数を表記していますが、筋トレではないので目標を決める必要はありません。毎日コツコツ、が大切です」

(WORK 1 )お腹の筋肉を伸ばす。

左右2~3回ずつ

サイドストレッチ。正座して片方の手を床につき、反対の腕を上げ、上腕を耳に近づけながらフーッと息を吐き、骨盤と肋骨を離すイメージで伸ばす。戻すときはおへそを引っ込め、背中側の筋肉を動かして腕を下ろす。
サイドストレッチ。正座して片方の手を床につき、反対の腕を上げ、上腕を耳に近づけながらフーッと息を吐き、骨盤と肋骨を離すイメージで伸ばす。戻すときはおへそを引っ込め、背中側の筋肉を動かして腕を下ろす。

(WORK 2)内ももの筋肉を伸ばす。

左右2~3回ずつ

椅子に座った状態でできる内転筋のストレッチ。足を大きく開いて膝に手を添え、片方の肩を少し前に入れると自然に体が捻られ、内ももが伸びる。捻るときに、座骨をやや反り気味にすると効果アップ。
椅子に座った状態でできる内転筋のストレッチ。足を大きく開いて膝に手を添え、片方の肩を少し前に入れると自然に体が捻られ、内ももが伸びる。捻るときに、座骨をやや反り気味にすると効果アップ。

(WORK 3)お尻の深層筋肉を使う。

左右10~20回ずつ

お尻の横や股関節のインナーマッスルにアプローチ。横になって両膝を曲げ、両方の足先とかかとを合わせたまま、上側の足を股関節を回す意識で膝から開いて閉じる。上半身と足先を固定して行うのがポイント。
お尻の横や股関節のインナーマッスルにアプローチ。横になって両膝を曲げ、両方の足先とかかとを合わせたまま、上側の足を股関節を回す意識で膝から開いて閉じる。上半身と足先を固定して行うのがポイント。

(WORK 4)内ももの筋肉を使う。

左右5回ずつ

体の側面を床につけて横になり、上側の手を床につく。上側の足をゆっくり上げ、次に下側の足を上げて両足を揃えたら、ゆっくり両足を下ろす。肩から足の先までは一直線に。回数よりも正しい姿勢で行うことが大事。
体の側面を床につけて横になり、上側の手を床につく。上側の足をゆっくり上げ、次に下側の足を上げて両足を揃えたら、ゆっくり両足を下ろす。肩から足の先までは一直線に。回数よりも正しい姿勢で行うことが大事。
  • KAORU

    KAORU さん (かおる)

    パーソナルトレーナー、 姿勢アナリスト

    「STUDIO Apro」(https://studio.tsapro.co.jp)主宰。ヨガやピラティスを融合した"100年元気な私作り"の独自のメソッドを考案。著書に『カラダが10歳若返るリセット姿勢』など。

  • 倉田真由美

    倉田真由美 さん (くらた・まゆみ)

    美容ジャーナリスト

    女性誌の編集者を経て、美容の専門家に。雑誌等での執筆活動をはじめ、化粧品開発のアドバイザリング、イベント出演などで幅広く活躍。

『クロワッサン』1086号より

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