A.カサ増しで便を出やすくする不溶性、腸内細菌のエサになる水溶性。
食物繊維に不溶性と水溶性があるのは聞いたことがあるけれど、具体的にはどんな働きをしているのだろうか。
「不溶性は水を吸って膨らむので、胃で満足感が出て、食べ過ぎを抑えることができます。食事の際に野菜を先に食べましょうというのがそれ。
あとは、カサが増して腸を刺激し、便が出やすくなります。水を吸っている時に、毒素や発がん物質も閉じ込めて出してくれるので、デトックスの効果も。そうした不溶性の働きが、最初にわかった食物繊維の機能です」
まず注目されたのは、こうした不溶性食物繊維について。その後、別の働きをする存在が明らかになってきた。
「水に溶ける水溶性食物繊維は、そのネバネバがゼリーのようになって糖分や脂肪分を包み込み、体内への吸収を緩やかにする。結果、血糖値やコレステロールを抑える働きをしてくれます」
しかも、そのまま大腸まで届いて腸内細菌のエサになってくれる。どちらの食物繊維も必要ではあるけれど……。
「便秘の人は水溶性食物繊維がより必要です。不溶性ばかりだと詰まってしまうこともあるので。逆に便が緩くなりがちな人は、水溶性を減らして不溶性を多く摂るといいですね」