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中性脂肪、血糖値、血圧…。体の内側から変えていく、発芽玄米の健康効果。

発芽玄米には現代人に必要な栄養成分が豊富に含まれています。長年発芽玄米を食べ続け、健康効果を実感している医師の石原新菜さんに聞きました。

撮影・岩本慶三 スタイリング・渡邉美穂(料理) 文・宇津木理惠子 イラストレーション・宇和島太郎

【体の内側から変えていく、発芽玄米の健康効果。】

[血糖値]血糖値の安定に発芽玄米をよく噛むことも大切。

糖質の多い炭水化物を制限して、肉は食べたいだけ食べていいという、誤った糖質制限の考え方がありますが感心できません。血糖値を正常に保つには〝食べすぎない〟〝よく体を動かす〟、そして〝よく噛む〟、この三つを続けることに尽きます。

【空腹時高血糖者の食後血糖に対する効果】方法:平均年齢52.0プラスマイナス2.7歳、空腹時の血糖値が110mg/dl以上、BMIが18.5以上、30.0以下(kg/平方メートル)の成人男性8名、成人女性8名で、境界型が12名、軽度糖尿病型が4名。8名ずつ2群に分け、1日に1つの試験食を摂取させ、食後血糖値を測定。白米を対照食とした無作為割付クロスオーバー試験。  横山ら、日本食品化学学会誌12(2)、80−84、2005
【空腹時高血糖者の食後血糖に対する効果】方法:平均年齢52.0プラスマイナス2.7歳、空腹時の血糖値が110mg/dl以上、BMIが18.5以上、30.0以下(kg/平方メートル)の成人男性8名、成人女性8名で、境界型が12名、軽度糖尿病型が4名。8名ずつ2群に分け、1日に1つの試験食を摂取させ、食後血糖値を測定。白米を対照食とした無作為割付クロスオーバー試験。 横山ら、日本食品化学学会誌12(2)、80−84、2005

また、食材は〝バランスよく選ぶ〟〝摂取する糖質の種類に気をつける〟、これらも血糖値の安定に欠かせない注意点。

【健常者の食後血糖に対する効果】方法:平均年齢29±1歳、BMI21.4プラスマイナス0.8kg/平方メートルの健常な男性12名と女性7名、炭水化物50gを含む白米、「発芽玄米」を摂取し、食後血糖値を測定。試験食は各自ランダムに選び、異なる日に摂取。  adapted from Yokoyama et al.,The Journal of Medical Investigati on,52,159-164,2005
【健常者の食後血糖に対する効果】方法:平均年齢29±1歳、BMI21.4プラスマイナス0.8kg/平方メートルの健常な男性12名と女性7名、炭水化物50gを含む白米、「発芽玄米」を摂取し、食後血糖値を測定。試験食は各自ランダムに選び、異なる日に摂取。 adapted from Yokoyama et al.,The Journal of Medical Investigati on,52,159-164,2005

たとえば白米や白砂糖はビタミンやミネラルなどの大切な栄養素を取り除いた〝カス〟という説がありますが私が発芽玄米をおすすめしているのは、発芽玄米は糖がまるごと摂れるから。白米と比較して発芽玄米を食べた方が、食後血糖値低下が早いです。

[便通改善]白米の6倍の食物繊維が、頑固な便秘を解消。

「発芽玄米に替えたら便通がすっかり良くなりました」という声をよく聞きます。今や小学生から高齢者まで「便秘がちで下剤を飲んでも効果がない」という方が大勢いる時代。

彼らには、〝低体温で慢性的に冷えている〟〝腸のぜん動運動が鈍い〟〝排泄(はいせつ)機能に支障をきたしやすい〟〝食物繊維を含む野菜や豆・イモ類などをほとんどとらない〟〝ストレスの多い生活〟などのさまざまな共通点がみられます。

【主食の違いによる便通の変化】出展:財団法人国際科学振興財団 村上和雄筑波大名誉教授らデータ(2007)
【主食の違いによる便通の変化】出展:財団法人国際科学振興財団 村上和雄筑波大名誉教授らデータ(2007)

発芽玄米を食べ続けると便通が改善されるのは、豊富な食物繊維が腸内を善玉菌優位の環境にして冷えを改善し、ギャバなど、ストレス解消に役立つ成分も含まれているからです。

食物繊維の多い食材を選び、適度な運動を続け、冷えないように気を配りましょう。たとえストレスを受けても乗り越える力がついて腸の働きも安定し、毎日、理想的なトイレタイムを過ごせるようになるはずです。

[総コレステロール]コレステロール値が高いほど動脈硬化のリスクが。

【総コレステロールの量に対する効果】方法:平均年齢51.5プラスマイナス16.2歳、BMI25.1プラスマイナス3.4kg/平方メートルの2型糖尿病患者(男性6名、女性5名)に白米、「発芽玄米」180gを1日3回主食として6週間摂取させ、摂取前後の総コレステロールを測定。 Tzu-Fang Hsu et al.,J.Nutr Sci Vitaminol,54,163-168,2008
【総コレステロールの量に対する効果】方法:平均年齢51.5プラスマイナス16.2歳、BMI25.1プラスマイナス3.4kg/平方メートルの2型糖尿病患者(男性6名、女性5名)に白米、「発芽玄米」180gを1日3回主食として6週間摂取させ、摂取前後の総コレステロールを測定。 Tzu-Fang Hsu et al.,J.Nutr Sci Vitaminol,54,163-168,2008

コレステロールは血液中に含まれる脂肪分。体内の細胞膜やホルモンの材料になるので、適切な量は必要です。

しかし動物性脂肪を多く摂る食生活や運動不足、ストレスが多いなど、不健康な日々が続くと、不要な脂肪分が血管にたまって動脈硬化が起こり、脳や心臓の血管が傷害されるリスクが高くなります。

一方、発芽玄米に含まれる食物繊維は、余分な脂肪分を吸着し、コレステロールの値を下げて、血管を健やかに保ちます。

[血圧]高齢者の二人に一人が高血圧。今すぐ発芽玄米習慣を。

【血圧に対する効果】軽症高血圧者7名および正常血圧者5名に、「発芽玄米」の加工米飯1日240gを8週間毎日摂取した際の、介入前後の血圧を評価した。  喜瀬ら、フードスタイル21,8(2),5457、2004
【血圧に対する効果】軽症高血圧者7名および正常血圧者5名に、「発芽玄米」の加工米飯1日240gを8週間毎日摂取した際の、介入前後の血圧を評価した。 喜瀬ら、フードスタイル21,8(2),5457、2004

血圧の安定にはまずは減塩、といわれてきましたが、最近の研究によってそれだけでは不十分、カルシウム、マグネシウム、タンパク質、食物繊維などを合わせて摂る必要があることがわかってきました。

発芽玄米にはもちろんそれらが豊富に含まれ、ほかにもギャバやフィチン酸などの血圧を下げる効果がある成分も含まれます。また、8週間食べ続けた後に、血圧の高い人が下がり、正常な人はその数値が保たれたという報告もみられます。

[中性脂肪]中性脂肪は動脈硬化の危険因子、糖尿病の引き金に。

【中性脂肪の量に対する効果】方法:平均年齢51.5プラスマイナス16.2歳、BMI25.1プラスマイナス3.4kg/平方メートルの2I型糖尿病患者(男性6名、女性5名)に白米、「発芽玄米」180gを1日3回主食として6週間摂取させ、摂取前後の血中中性脂肪を測定。  Tzu-Fang Hsu et al.,J.Nutr Sci Vitaminol,54,163-168,2008
【中性脂肪の量に対する効果】方法:平均年齢51.5プラスマイナス16.2歳、BMI25.1プラスマイナス3.4kg/平方メートルの2I型糖尿病患者(男性6名、女性5名)に白米、「発芽玄米」180gを1日3回主食として6週間摂取させ、摂取前後の血中中性脂肪を測定。 Tzu-Fang Hsu et al.,J.Nutr Sci Vitaminol,54,163-168,2008

食物繊維は血液中の余分な中性脂肪も排泄してくれます。

中性脂肪は私たちが万が一飢餓状態になったときに、エネルギー源として使われるという大事な役割がありますが、検査値が高い場合は要注意。中性脂肪が増えると脂質の代謝異常が起こり、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増加するからです。

発芽玄米に含まれる食物繊維は、腸内での中性脂肪、コレステロールの吸収を妨げる働きがあり、血液中への流出を防いでくれます。

[美肌]発芽玄米は肌のコラーゲンを増やす効果がある。

【肌コラーゲン量の変化】左/方法:19.8プラスマイナス0.5歳の女子大学生29名に「発芽玄米」加工米飯160gを毎日2パックずつ8週間摂取させ、肌のコラーゲンを測定した。  川名ら、日本食生活学会誌,16(2),108-113,2005
【肌コラーゲン量の変化】左/方法:19.8プラスマイナス0.5歳の女子大学生29名に「発芽玄米」加工米飯160gを毎日2パックずつ8週間摂取させ、肌のコラーゲンを測定した。 川名ら、日本食生活学会誌,16(2),108-113,2005

内面から輝く美肌づくりには、毎日の食生活がとても重要です。発芽玄米を4週間食べ続けたら、肌に含まれるコラーゲン量が増加したという報告があります。

コラーゲンは骨や血液、内臓などに広く分布していますが、肌の弾力を保つ働きも担っています。発芽玄米にはコラーゲンのもととなる植物性のタンパク質や、美肌に必要なビタミン、ミネラルなどの大切な栄養素が豊富に含まれ、それらの成分が〝はり〟のある美肌づくりに役立っているのです。

  • 石原新菜

    石原新菜 さん (いしはら・にいな)

    イシハラクリニック副院長

    1980年長崎市生まれ。2006年帝京大学医学部卒。著書に『読む冷えとり』(主婦の友社)、『大人女子の不調がみるみる改善する本』(徳間書店)など多数。
    プロフィールは雑誌掲載時の情報です。

『Dr.クロワッサン 発芽玄米で不調を治す!』(2019年10月31日発行)より。

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