塩を減らしてもっと美味しく。料理研究家・藤井恵さんの軽やか〝適塩〟生活。
撮影・青木和義 文・板倉みきこ
【藤井さんの毎日から見えてくる、減塩生活を楽しく続けるコツ。】
外食は思い切り楽しんで 、その後の数日でコントロール。
塩分を気にするのは家庭のみ、と割り切るのも減塩生活を長く楽しく続ける秘訣かも、と藤井さん。
「せっかくの外食ですから、その場は楽しんで食べたいものを美味しくいただく。その分翌日の朝ごはんは控えたり、カリウムの多い野菜を食べたり、数日かけて塩分の摂取量を調整していけばいいと思います」
「塩を減らした美味しい柴漬け 、ただいま研究中。
今も、少ない塩分で満足できる調理法を日々模索中。
「ご飯の友として、もともと大好きな柴漬け。漬物はどうしても塩分が多くなりがちですが、減塩しても美味しいものが作れないか、通常の柴漬けを作りながら減塩バージョンも試しています。まだ納得の域には達していませんがその研究も楽しいんです」
「お酢と酵母エキス のドリンクは、体調管理のパートナー。
減塩だけでなく、毎日の体調管理に役立ってているのがお酢や酵母エキスのドリンク。
「2種類を飲むことでむくみ対策になっている気がします。黒酢は特にブランドを決めず、いろんなものを試して味の変化を楽しみ、飲み飽きない酵母エキスは『コーボン』という銘柄のものを家族全員で飲み続けています」
ちょっと贅沢? でもそれ以上の力がだしにはあります。
旨味の強いだしを使えば、醤油や塩に頼らずともふくよかな味わいに。藤井さんはかつお節や昆布、干し椎茸、干し焼きえびなど上質なものを厳選して作る贅沢なだしを使用。
「異なる旨味が組み合わさり、相乗効果でより強い旨味が生まれます。素材の良さも引き立ててくれるので、食事の楽しさも増しますよ」
これ、けっこう効きます。 階段の上り下り が毎日の筋トレ。
血圧を下げるには、活動量を増やして血流を改善することも大事。
「日々の生活の中でとにかく筋肉を動かすことを課題にしています。仕事場にある階段の上り下りはけっこうな筋トレになりますし、ドライヤーをかけるときはスクワットを欠かしません。この積み重ねで下半身の筋肉を鍛えています」
生で食べられる根菜って貴重。 やまといも を毎日食べてます。
根菜は食物繊維が多く、腸内環境を整え、血流の改善にもつながる健康食材。
「中でも薬膳にも使われるやまといもは、今風に言えばスーパーフード。生でも食べられるから、代謝が上がる酵素もたっぷり摂れます。納豆やオクラと混ぜたり、すりおろして味噌汁や鍋に入れたりして、ほぼ毎日食べています」
献立の中で塩の強弱 をつけています。塩分ゼロの副菜も!
献立の料理すべてを薄味にすると、全体が中途半端な味になってしまうことも。
「味のメリハリは大事です。和え物やサラダなどの副菜は、塩をほとんどゼロにしても美味しくいただけます。そうすればメインにはある程度しっかり味をつけられ、強弱がついた味わいに満足できるはずです」
『クロワッサン』1076号より
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