からだ

歩幅65.1cmで、腰痛知らず。ストレッチや運動で歩幅を広げましょう。

歩幅の狭い人は将来的に健康を損ねるリスクが高い、という研究が数多く報告されています。
腰痛に関しても然り。大きな歩幅の確保は腰痛予防につながる、と整形外科医の平尾雄二郎さん。
目標は最低65.1cm。ストレッチや背骨の運動でご覧の通り、歩幅は驚くほど広がります。
  • 撮影/角戸菜摘 文/石飛カノ ヘアメイク/村田真弓 スタイリング/高島聖子

*65.1cmという数値は、東京都健康長寿医療センターの谷口優医師が70歳以上、1000人以上の対象者を追跡調査し、歩幅を「広い」「普通」「狭い」に分けて分析したものです。女性の場合は65.1cm以上が「広い」に相当。

【 Before 】

運動前の歩幅。腕の振りに比べてやや狭い。

【 After 】

運動後の歩幅。姿勢がよくなり歩幅も拡大!

ふだんからよく歩いている人でも、 広い歩幅、正しい姿勢とは限らない。

散歩が日課の漫画家の影木栄貴さんでも歩幅について考えたことがなかったそう。平尾医師に姿勢や歩きのクセをチェックされ、さて歩幅は広がるか。

左・平尾雄二郎さん 右・影木栄貴さん

「腰痛の改善や予防にはいくつかのアプローチがあります。ウォーキングなどの全身運動はそのひとつ。でも、歩幅が狭いと背骨の回旋の動きや股関節まわりの筋肉が使われず、全身運動に至りません。そこで、歩幅を広くするストレッチや背骨の運動を取り入れることが必要になってきます」と、平尾雄二郎さん。

「日によって、すごく腰が痛いときとそうでもないときがあります。今は毎日ウォーキングをしているので比較的痛くない日が多いかも」と、漫画家の影木栄貴さん。

実際に歩いてみると、上の写真のように腕の振りが大きいのに、歩幅の広さは今ひとつ。平尾さんの指導で歩幅拡大に取り組みます。

背骨や肩まわりが硬い人は腰痛予備軍。まずは動作のチェックから。

歩幅を広くとって歩く条件は、正しい姿勢で正しい動作を行うこと。というわけで、まず動きのチェック。

「前屈姿勢で床に向かって指を伸ばしてください」

「いっせーのせっ! くぅ〜!」

「あ、硬いですね! 腰のラインが真っ平らです。腰背部や太もも裏の筋肉が硬いのかもしれませんね」

次は手を背中の後ろに回す肩の動き。これができない猫背姿勢の人は、肩がすくんで上半身のひねりを利用したダイナミックな歩行ができない。でも、こちらはお見事!

「これは得意。肩は柔らかいんです」

動きのcheck

前屈姿勢で指を床に伸ばす。女性の場合は床に指先がつくのが最低条件。

「くぅ〜」(影木さん) 「背中のラインが真っ平らになってます。」(平尾先生)

動きのcheck

両手を背中に回して近づける。手のひら1枚分、距離が空いたら硬い証拠。

「これは得意です!」

動作の起点になる姿勢。前から横から、しっかりチェックしてみましょう。

次に姿勢のチェック。肩が柔らかい影木さん、意外にも猫背姿勢で肩こりも“岩盤”レベルだそう。

「肩峰(けんぽう)(肩関節の先端)が内側に入り、手の甲がカラダの前に来ています。これは左右の肩甲骨が離れて背中が丸い人の特徴。肩こりがひどいのは姿勢の影響もありそうですね」

「マッサージに行くと肩が丸まってるね、とぎゅーっと押されます」

「左右の肩の高さも違いますね。背骨の側弯(そくわん)が原因かもしれません」

「肩掛けバッグをいつも右からかけるクセがあるので、そのせいかも」

最後に壁に背中をつけて腰の骨の反り具合をチェック。腰と壁の間に丸めた指がジャストフィット。

「腰の反りは理想的です」

「やった!」

姿勢のcheck

右肩が左肩に比べてやや上がっている。これは背骨の軽い側弯が原因。

姿勢のcheck

肩峰が内側に入っていて手のひらがももの前に。典型的な猫背姿勢。

壁に背中をつけて腰のカーブのチェック。反りすぎず平らすぎずが理想的。

「肩が内側に入っていますね。」(平尾先生) 「はい」(影木さん)

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