からだ

立つ、歩く、座る。基本の動作を見直して疲れない体を作ろう。

  • 撮影・岩本慶三 イラストレーション・ストマックエイク

【座り方】股関節で姿勢を調整。ここが固まると姿勢が崩れてしまいます。

【仙骨座り】

(A)背もたれに寄りかかる
(B)足を前に投げ出す

骨盤の真ん中の仙骨が、座面についてしまうような座り方が〝仙骨座り〞。「股関節の動きがよくないと、骨盤が倒れ、上半身も足も投げ出すようになります。また、腰にも負担が集中、腰痛の原因にもなります」

【猫背座り】

(A)背中が丸まっている
(B)首が前に出ている

机に向かってパソコンを操作していると、どんどん前かがみになりがちです。「肩も腰もガチガチに固まっていて、ゆるめたくても動かせません。同じ姿勢をとり続けないためにも、体はできるだけ真っすぐ立てましょう」

椅子に座るとき

(A)前傾してお尻からソフトに座る
(B)背中は真っすぐ

お尻からドスンと座ると、反動で上記のような〝仙骨座り〞になります。上半身を前に倒して、お尻からゆっくりソフトに座りましょう。「股関節から上半身を前傾させ、バランスを保ちながらだと、力まないで楽に座れます」

正確な姿勢

(A)体が骨盤の上に乗っている

座る際の正確な姿勢を知るには、椅子の後ろ脚を浮かせてみます。すると、股関節が緩み、骨盤が真っすぐに立ち、背筋が伸びた理想的な姿勢がとれます。「この姿勢を基本に、座り姿勢を見直してみましょう」

長時間座るとき

机に向かって長時間仕事をすると、骨盤が倒れ、猫背や仙骨座りのようになりがちです。それは、股関節が動きにくくなったため、骨盤を真っすぐに保つ調整が利かなくなったことによります。「様々な脚の組み方をすることで、股関節が動きやすくなり、骨盤が立ち、負担のない姿勢がとれてきます」

【膝下クロス】

【脚を組む】

【立て膝】

【立ち上がり方】ひざではなく重心移動で立つ。頭の重さを利用すれば簡単です。

(A)腕力も使って立つ
(B)脚力だけで立つ

「脚だけで立とうとするときついので、どうしても『よっこいしょ』と声が出てしまいます。気合と根性で立っているんですね。さらに、腕の力も使ってやっと立ち上がっている状態」。あちこちに無理な力がかかっています。

(A)お尻から上げる
(B)股関節から前傾する
(C)頭の重さを使う
(D)足をまず引く

「まず足を引いて、股関節から前傾。すると、脚力でなく、重心移動で楽に立てます」。前に机があるときは、横を向いて前傾すればOK。「所作がきれいな人は、この立ち方を基本として活用しています」

岡田慎一郎

岡田慎一郎 さん (おかだ・しんいちろう)

理学療法士、介護福祉士

介護者が疲れないための「古武術介護」を提唱する。最新刊『腰痛ひざ痛が消える つま先の使い方』が8月20日刊行。

『クロワッサン』1051号より

1 2
この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE

※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

人気記事ランキング

  • 最新
  • 週間
  • 月間