運動嫌いにもおすすめ、カラダを底上げする腹式呼吸の基本。
撮影・黒川ひろみ モデル・椎名由紀 スタイリング・高島聖子 ヘアメイク・岡野紋美 文・山下孝子
腹式呼吸で横隔膜が動くことによるボディラインの変化
●(副交感神経)が働く
人間は息を吐くときに心身をリラックスさせる作用がある副交感神経が優位になり、息を吐くことで緊張がほぐれます。
●(交感神経)が働く
人間は息を吸うときに心身を活性化させる作用がある交感神経が優位になり、息を吸うと適度な緊張状態になります。
【息を吐ききって、下腹をへこませる腹式呼吸のレッスン。】
息をしっかり吐く、 心身の緊張を緩める基本。
「息は、吐くことが基本です。吐かなければ、息を吸えないわけですから」
息をしっかり吐ききれないまま、深呼吸を繰り返していると、やがて過呼吸になります。こう話すのは呼吸アドバイザーの椎名由紀さん。腹式呼吸をベースにしたZEN呼吸法を提唱しています。
「一方の手を胸に、もう一方の手をお腹に置いて、普段どおりの呼吸をしてみてください」
胸のほうが大きく動くのでは?
「胸が大きく動くのは胸式呼吸です。息を吐ききれないばかりか、呼吸のたびに胸郭が広がり、首、肩、背中の筋肉も連動します。筋肉が動き続けるわけですから、疲れないはずがありません。
胸式呼吸は闘争の呼吸でもあり、緊張や興奮を伴います。それが必要な場面もありますが、ずっとそんな呼吸では苦しいですし、精神的に緊張しているつもりはなくても、筋肉は硬くなっているのです」
一方、心身の緊張を緩めるのが、腹式呼吸。ぜひ身につけたいもの。
「横隔膜を大きく動かす呼吸法ですが、横隔膜は自分の意志では動かせませんから、お腹の圧力の加減によって上下させます」
片方の鼻の穴を親指で閉じ、シュッ!と勢いよく息を吐く練習。片方の手は下腹部に置き、息を吐いたときにお腹が引っ込むことを感じよう。
「吐けば、自然に吸えます。そのときお腹が勝手に膨らむことを感じて」
2のお礼の呼吸は、上体を倒すと、息を吸ったときにお腹の膨らみを感じやすくするレッスンです。
理想の呼吸バランス 胸式0.5:腹式9.5
胸式呼吸は瞬間的に大量の酸素をカラダに取り込むスーポツなどに適した呼吸法。でも普段の生活は腹式呼吸中心で。
●息を吐き続ける時間によるチェック法
(20秒以上)深く長い呼吸で十分酸素が取り込めているため合格です。
(20秒未満)浅く速い呼吸でうまく酸素が取り込めていない可能性大です。
●1分間の呼吸数によるチェック法
(14回未満)まずは合格ラインですが、胸式の人は要注意。鼻呼吸と腹式呼吸が身についている人ほど、回数が少なくなります。
(14回以上)口呼吸と胸式呼吸のせいで浅く速い呼吸になりうまく酸素が取り込めていない、またはストレスを抱えてカラダが硬い可能性が高くなります。
[STEP1]片鼻シュッシュッの呼吸
(A)息を吸うのも鼻から。
(B)手で動きを確かめる。
(1)ひじと肩を下げた状態で、片方の手の親指で片方の鼻の穴をふさぐ。もう片方の手の親指をへそに、手のひらを下腹部にそえる。
(2)ふさいでいない鼻の穴でシュッシュッと息を吐ききる。
(3)息を吐くと腹部がへこみ、吸うと膨らむ感覚を覚える。お腹に手を当てると、より腹部の動きがわかりやすい。
[STEP2]お礼の呼吸
(A)胸があまり動かないことを実感できる。
(B)腹部が膨らんだりへこんだり。
(1)片方の手を胸に当て、もう片方の手の親指をへそに当てて手のひらは下腹部にそえる。
(2)足を腰幅に開き、上半身を前に30度倒し、腹式呼吸。
(3)慣れたら、腰に手を当て脇腹の膨らみやへこみを感じられる。