からだ

毎日続ければ変化を実感、背骨リセット。意識すべきは「胸椎」です。

いきなり結論です。胸椎をしなやかに保つことができれば、いつも体は楽なまま。4つのステップで背骨を若返らせる運動を紹介します。簡単にできますから、毎日の習慣に!
鍼灸師であり指圧師の石垣英俊さんに教わります。
  • 撮影/岩本慶三 文/石飛カノ モデル/北川リサ スタイリング/高島聖子 ヘアメイク/村田真弓 イラストレーション/宇和島太郎、松元まり子

リセットの手順

温めて→ほぐして→伸ばして→ひねる

胸椎の緊張を解いて背骨を若返らせる。

さまざまなチェック(⇒チェック記事はこちら)によって、ふだんは気づかなかった背骨の老化に思い当たった人、いよいよここから背骨をリセットする方法をご紹介します。

リセットの主な標的は、背骨の3つのユニットの中の胸椎。

「現代人の多くは首がこる、腰が痛いという不調を訴えがちですが、意識すべきは頚椎や腰椎ではなく、胸椎です」

胸椎の最大の特徴は肋骨と繋がっているということ。左右12対の肋骨が12個の胸椎を支点としてカラダの前面の胸骨に繋がり、カゴのような形をつくっている。このカゴを胸郭という。

胸郭の中にあるのは心臓と肺、胃や肝臓の一部。重要な臓器は胸郭に囲まれて守られている。つまり、胸椎、肋骨、胸骨で形づくられている胸郭は、大きく動かすことより守りが優先された構造。

「でも、そのしくみがあるために、悪い姿勢を長年続けていたりストレスを感じたりすると、すぐに緊張して固まってしまいます。すると周りの筋肉も緊張します。とくに影響を受けるのは横隔膜や肋間筋などの呼吸筋や、深呼吸などで使われる呼吸補助筋です」

胸郭は内臓を守るカゴという役割だけではなく、呼吸する度に膨らんだり縮んだりするポンプのような役目も果たす。呼吸筋や呼吸補助筋が収縮すると胸郭が広がり、弛緩(しかん)すると狭まる。同時に胸椎と肋骨を繋ぐ関節も動く。

ところが、悪姿勢やストレスなどで筋肉や関節が緊張すると、胸郭も胸椎も全体的に固まってしまい、呼吸が浅くなり、背骨の動きも悪くなる。

「胸椎が固まるとかわりに頚椎や腰椎が過剰に働いて、肩こりや腰痛を引き起こします。なので、まずは胸椎と胸郭の緊張を解くことが、首や腰の負担を減らし、背骨全体のリセットになるのです」

リセットの手順は4ステップ。最初に緊張して固まった筋肉を温める。次に背中まわりをほぐす。全身を伸ばしたら、最後は胸椎をひねる。この一連の流れで背骨にリセットをかけていく。

毎日行うことで、確実に不調の改善効果が実感できるはず。

[温めて]

【背骨を支える大きな筋肉を温めてリセットの準備を。】

( Step 1 )速く上下させる

肩の力を抜き、できれば正しい姿勢で立つ。
 ↓

できるだけ速く肩を上下させる。
 ↓

肩や肩甲骨まわりが温まったと感じたらOK。

( Step 2)腰をこする

両方の手を握ってこぶしに。手のひら側を腰に当てる。
 ↓

上下に素早く摩擦して、腰部を温める。

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