からだ

疲れやすい夏の体を整える食事、5つのポイント。

疲れやすい夏の体を整える食事で、秋冬を調子よく過ごす。
女子栄養大学栄養クリニック教授の蒲池桂子さんに教わります。

「9月になると急に食中毒が増えます」

夏の疲れを溜めたまま秋を迎えることが主な原因、と女子栄養大学栄養クリニック教授の蒲池桂子さん。食中毒を起こさないまでも、夏、私たちの体が疲れやすくなることを推測できる話だ。

「そもそも暑くなってくると食欲が低下しますが、近年は、冷房と屋外との寒暖差で、いったい今は暑いのか寒いのか、体がわからなくなっています。こうした場合にも食欲が落ちてきます」

ヒトの内臓は、自律神経によってコントロールされている。ところが、「暑いのか寒いのか」、体に判断がつかなくなると、自律神経のバランスが乱れ、内臓の機能に影響し、さまざまな不調が表れる。胃腸の働きが鈍るのもそのひとつ。すると、せっかく食事をしても、体は栄養を充分に吸収できず、夏バテの状態に。放っておけば疲れは溜まるばかり。

夏の鍋は、汗をかいて体をリセットするのにぴったり。代謝アップ食材たっぷり。

まず、食べ物をしっかり消化し、栄養を吸収できる体づくりを心がけよう。

「簡単で効果的なのは、夜、湯船に浸かって汗をかくことです。難しければ、せめて足湯で。汗をかくことで体温調節ができ、体がリセットされます」

すると眠りの質が上がり、自律神経が整い、臓器の働きも回復していく。

「何を食べたらいいのか、という話はここからです。夏でも温かいものを食べ、食事で汗をかくことも大切。唐辛子のような刺激があるものもおすすめ。とことん食欲が落ちたら、栄養豊富な甘酒を温めて飲んでもいいでしょう」

筋肉をつけることも大切だから、たんぱく質もしっかりと摂りたい。

「そこに、野菜やきのこ、豆類を組み合わせて。それぞれエネルギーを生み出す、消化吸収を助ける、粘膜を保護する、殺菌作用があるなど、体を守るための大事な働きをしてくれます」

ここでは夏の体を整え、秋冬を調子よく過ごすための5つのポイントを野菜に託して紹介する。

「食べ続けていると、腸が整い、肌に透明感が出てくるでしょう。それは、秋冬を元気な状態で迎えられる体になった、うれしいサインでもあります」

冷えた炭水化物は、食物繊維のような働きをして腸を整えてくれる。夏の昼食で食べたい、太りにくいワンプレート。

1.殺菌力のある香味野菜を、毎日食べておく。

食中毒が多くなる9月に備え、夏のうちから殺菌力のある香味野菜を食べて胃腸を守ろう。摂りたいのは、梅干しやしょうが、大葉、みょうが、にんにくなど。一食で大量に食べるのではなく、毎日、少量でいいからいろいろな料理に使って。

「梅干しなら毎日1粒食べてもいいですね」(蒲池さん)

2.分解酵素たっぷりの 野菜で、食物の消化を助ける。

「消化不良だと感じたら、大根おろしを。大根には糖を分解する酵素、たんぱく質を分解する酵素、脂肪を分解する酵素、全部入っています」

まいたけのもつ分解酵素も侮れない。「肉の下処理のときに、まいたけを細かく切って一緒に入れておくと、肉がものすごく柔らかくなります」

3.ストレスや体の酸化に備えて、ビタミンC、E豊富な野菜。

ビタミンCはどんな時季でも不足させたくない栄養素。抗酸化作用があり、コラーゲンの生成、植物性の食品に含まれる鉄分の吸収にもかかわる。免疫系の働きの補助も。ビタミンEにも抗酸化作用があり、細胞をダメージから守ってくれる。

「夏野菜ならトマトやピーマン。あとは柑橘類も」

4.疲れ、だるさ予防に、 豆類やきのこの ビタミンB群。

ビタミンB群とあるように、ビタミンBに属するいくつかの栄養素が協働して効果を発揮。ビタミンB群は、ヒトが活動するためのエネルギーを生み出すときに重要な働きをする。不足すると疲れやだるさの原因に。

「秋になってもしっかり摂れば、肌のシミ対策にもなります。もやしやきのこで手軽に」

5.ねばねば野菜で粘膜を保護し、免疫力を高める。

「ねばねば野菜は、粘膜を保護し、細胞の免疫力を上げるという意味で重要です。少しずつでもいいから、食べる習慣を」

暑い地域が原産の、オクラ(北東アフリカ)やツルムラサキ(東南アジア)などを。

「ほかに、山芋、なめこなどもいいですね。胃腸が疲れていると感じたときにも」

『クロワッサン』1049号より

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