骨折をしないためには踏みとどまる力が重要だと書いてきましたが、そのバランス力の要は、全身を支えている足裏にあります。
足の裏には、足にかかる圧力や筋肉の動き、関節の角度などを敏感に感知するセンサーである「感覚点」がたくさんあります。感覚点は、感知した情報を脳に伝え、それを受けた脳は、次の動きの指示を全身に発信します。足裏の感度がよければ、転びそうになっても、脳と連携することで、素早くバランスをとれます。
しかし、年をとると感覚点の機能が衰えるので、反応が間に合わず、転びやすくなってしまいます。これを改善するのが足裏バランス力アップ。
また、足はいくつもの筋肉が入り組んでいて、重い体重を支えたり移動させたりしていますが、この筋肉を総合的に鍛えると、力強く踏ん張る、細やかに体重移動をする、といった対応がうまくできます。そうなればバランスをとる能力もアップします。
普段はあまり意識することのない足の裏や足の指。ここでは、足の指先から、足全体まで動かす運動をすることでバランス力アップを目指します。片足で立ったり、足の指で物をつかんだりと、慣れないうちは、うまくできないかもしれません。でも、続けていると自然と足の動かし方が身につき、上達するはずです。やがて感覚点が研ぎ澄まされていき、筋肉も鍛えられます。
足を強化すると、歩くときに足をしっかりと上げられるようになります。これも足元の凸凹につまずきにくくなるメリットです。足を鍛えることは転倒防止に何重にも効果があるわけです。