からだ

転倒防止の鍵、足裏を強化する3つの運動。

足裏の感覚点や足の筋肉、足指をしっかりと使う運動が重要。
少しずつ上達すれば、バランス力もアップします。
  • 文・吉田真帆 撮影・鈴木江実子 イラストレーション・松元まり子 モデル・寿々ともみ

転倒防止はバランス力で。足裏の強化が鍵となる。

骨折をしないためには踏みとどまる力が重要だと書いてきましたが、そのバランス力の要は、全身を支えている足裏にあります。

足の裏には、足にかかる圧力や筋肉の動き、関節の角度などを敏感に感知するセンサーである「感覚点」がたくさんあります。感覚点は、感知した情報を脳に伝え、それを受けた脳は、次の動きの指示を全身に発信します。足裏の感度がよければ、転びそうになっても、脳と連携することで、素早くバランスをとれます。

しかし、年をとると感覚点の機能が衰えるので、反応が間に合わず、転びやすくなってしまいます。これを改善するのが足裏バランス力アップ。

また、足はいくつもの筋肉が入り組んでいて、重い体重を支えたり移動させたりしていますが、この筋肉を総合的に鍛えると、力強く踏ん張る、細やかに体重移動をする、といった対応がうまくできます。そうなればバランスをとる能力もアップします。

普段はあまり意識することのない足の裏や足の指。ここでは、足の指先から、足全体まで動かす運動をすることでバランス力アップを目指します。片足で立ったり、足の指で物をつかんだりと、慣れないうちは、うまくできないかもしれません。でも、続けていると自然と足の動かし方が身につき、上達するはずです。やがて感覚点が研ぎ澄まされていき、筋肉も鍛えられます。

足を強化すると、歩くときに足をしっかりと上げられるようになります。これも足元の凸凹につまずきにくくなるメリットです。足を鍛えることは転倒防止に何重にも効果があるわけです。

【足裏の感覚点と筋肉の動き】

(1)土踏まずにある足底筋膜は足の動きに大きく関わる。土踏まずの筋力を上げるとバランス力も上がり、さまざまな運動能力も鍛えられる。

(2)足裏の感覚点は、かかと、親指、指の付け根を中心に分布していて、「メカノレセプター」とも呼ばれる。感覚点は足裏に刺激を与えることで活性化。

(3)足の骨と骨の間には足の指を動かす筋肉がある。ここを鍛えると足の指で地面をつかむ力もアップ。

<いつでも>足全体の筋肉を強化し、感覚を磨く

【開眼片足立ち】

[目標]
1セット 左右1分ずつ 1日3セット

片足で立つと、バランスを保つために足全体の筋肉を使います。
骨折しやすい足の付け根の骨も丈夫になります。

(1)手をついて立つ
イスの背やテーブル、壁などに手をつき、両足を揃えてまっすぐに立つ。空いている方の腕はバランスをとりやすいように上げる。

(2)片方の足を上げる
片方の足を5〜10cm上げる。軸足はまっすぐに保ち、上げた腕でバランスをとり、できるだけ静止する。反対側も同様に。

●POINT
片足立ちを続けると、下肢全体のバランス感覚が身につき、安定した動きができます。転倒防止にも。

●HIGH LEVEL フラミンゴ立ち
バランス力がついてきたら、つかまらずに自力での片足立ちに挑戦! ふらついたときにすぐにつかまれるテーブルや壁のそばなど、安全な場所で行いましょう。

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