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病気を避けて健康でいるための食べ方、9つのヒント。

加齢による体力の低下や病気に負けない体づくりは、なんといっても食事から。心身を健やかに保つ、食べる流儀とは。
  • 撮影・MEGUMI 料理、スタイリング・吉田 愛 文・松本昇子

「決まった時間に3食しっかりと摂らないといけない。野菜はとにかくたくさん食べたほうがいい……まずはそういった“思い込み”を捨てることが大事」。

そう教えてくれたのは、管理栄養士の伊達友美さん。クロワッサン世代は特に、万病のもととされる冷えを抱えている人が多いので、体を温める食事を意識することが先決。

「なかなか料理する時間を取れなければ、テイクアウトやレトルト食品を活用するのもひとつの手。無理しないことが一番の健康法です」。

伊達さんによる、食べ方の9つのヒントを実践して、病気知らずの体に。

フルーツの効能を見直そう。

例えば朝食をフルーツに置き換えることで、一日の塩分摂取量を20〜30%減らすことが可能。フルーツに含まれるカリウムは、余分な塩分を排泄する働きがあるので、血圧が高い人には特におすすめ。逆にカリウムが不足すると、高血圧やむくみの原因に。通常の人は摂りすぎても、不要分は尿として排出される。

りんごは皮ごと食べられて、効率的にカリウムを摂取することができる。塩分が気になる人は変色防止に塩水にさらすのはNG。

腎機能に不安がある場合は、比較的カリウムの少ないみかんを。水分も豊富なうえ、薄皮を一緒に食べれば冷えの予防にも。

牛乳を豆乳に。 おやつをナッツに置き換える。

脂肪の過剰摂取が気になるなら、動物性タンパク質の牛乳を植物性の豆乳に替えてみて。豆乳に含まれる大豆イソフラボンは、コレステロールを整え、活性酸素の働きを抑えてくれる。おやつ代わりに小腹を満たすならナッツを。特にくるみは良質なオメガ3脂肪酸が摂れる。素焼きがおすすめだが、塩味が欲しいときは良質な天然塩をひとつまみかけて。ミネラルも補給できる。

大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをしてくれるので、肌の調子を整えたり、更年期障害の予防など、女性にうれしい効果が。

くるみなどのナッツは種類によって含まれる脂肪酸が違うため、ミックスナッツがよい。摂りすぎには要注意。

一日一度は お米中心の献立を。

古来より日本人の主食である米は、タンパク質やビタミンが含まれる複合炭水化物で腹持ちもよく、腸内環境にもいいという優れもの。水分をたっぷり含み、胃腸でオリゴ糖に変わるので、便通改善にも効果的といいことずくめ。発酵食である味噌汁も欠かせない。

ご飯、主菜、副菜、味噌汁という基本的な和定食は、1食で水分を約500ml摂れると言われているので、飲料で水分を摂取するのが難しいという人こそ、3食のうち1食は和食を心がけたい。栄養的にも優れ、健康効果ものぞめる日本ならではの食事を、今一度見直してみて。

A.魚の煮物
主菜である魚や肉も、焼き物や揚げ物にするより煮物にするなど、水分が含まれるような調理法を。

B.白米
主食には白米を。玄米は栄養豊富だが消化に時間がかかり、慣れない人は胃腸に負担がかかることも。

C.野菜の和え物
体を冷やす生野菜より茹で野菜の和え物を。加熱でかさが減るので、うっかり摂りすぎないよう注意。

D.味噌汁
発酵食である味噌は、腸内環境の改善や免疫力アップに。具だくさんにしすぎて食物繊維過多にならないように。

規則正しく食べることに縛られない。

3食しっかりと栄養価の高い食事を摂ることがよい、というのは、必ずしも正しいことではない。ストイックに食事のルールを決めすぎると、過食や拒食の原因にもなりかねないので要注意。

たとえば前日の夜に食べすぎてしまったら、翌日の朝食を水分だけにして調整してもいい。就寝3時間前までに食事を済ませなければといって、睡眠時間を削ってしまうのはもってのほか。自分が心地よいと思える時間に、美味しく食べるということが大事。

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