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病気を避けて健康でいるための食べ方、9つのヒント。

  • 撮影・MEGUMI 料理、スタイリング・吉田 愛 文・松本昇子

タンパク質たっぷりを意識する。

タンパク質は、健康な体づくりのために欠かせない栄養素のトップ。一日に必要なのは、自分の両手のひらの体積分くらいの動物性タンパク質なので、肉や魚などを積極的に摂ることが必要。

肌荒れや貧血、代謝の低下、筋肉量の不足に悩まされている人は、タンパク質の量が足りていない可能性も。調理法をポトフや煮物にすれば、水分も摂れるうえ消化にも良く、たっぷり食べられて体も温まる。

【お肉たっぷりポトフ】

豚肩ロース肉(約300g)は1cm厚さの食べやすい大きさに切り、塩(小さじ1)を揉みこんで30分おく。鍋に豚肩ロース肉、大きめに切った好みの野菜(にんじん、玉ねぎ、じゃがいも、キャベツ、セロリ等)、ローリエ、水を加えて野菜が柔らかくなるまで煮る。塩、こしょうで味を調える。

【魚と野菜の蒸し物】

タラの切り身2切れに軽く塩をふって耐熱皿に置く。斜め薄切りにした長ねぎと千切りにした生姜を上にのせ、酒大さじ1をふってラップをし、電子レンジ(600W)で4分ほど蒸す。刻んだ三つ葉を飾り、ポン酢をかけ、熱した胡麻油を回しかける。

水分補給の肝は適度な量とタイミング。

人間の体の半分は水分。意外に足りていない人も多い。特に寝ているあいだは水分を摂っていないので、起き抜けにはまず水を飲み、体にうまく酸素を取り込んで。寒い時季は血流が悪くなりやすく、体も冷えていることが多いので、白湯やお湯がおすすめ。

その後は一日のうち、飲みたいと思うときに適量を飲めば基本的にOKで、お茶などでもよい。ただし、寝る前に水分を多く摂るとむくみや夜間の頻尿につながりかねないので控えめに。

味気のない水分を摂りにくいならば、コーヒーやお茶でもOK。カフェインレスのものも多く出ているので活用して。

朝一番の白湯は、冷えやむくみにも効果的。水分の多い和食中心の食生活なら、食間にコップに2〜3杯で水分摂取量は充分。

野菜の摂りすぎには注意して。

野菜は多く摂れば摂るほど健康にいいと思われがちだが、実際には一日に350g(生の状態で両手にこんもり)食べれば充分だと知っておこう。消化機能が低下していく40歳以上の女性は特に、摂りすぎると胃の張りやげっぷ、膨満感などにつながることがあるので注意を。

この時季は、体を冷やしてしまう生野菜のサラダなどはなるべく避けたい。また、煮たり茹でたりした温野菜はかさが減り、見た目に少なく感じてしまうので、うっかり摂りすぎないよう適量を意識しよう。

嗜好品は大切な「心の栄養」と心得て。

甘いものやアルコールも、絶対にNGというわけではなく、自分へのご褒美として適量摂る分には問題なし。我慢の反動で食べすぎたり、摂ってはいけないというプレッシャーがストレスになるようでは逆効果。

嗜好品は栄養うんぬんではなく、あくまで心を満たしてくれるもの。罪悪感なく食べることで、美味しさの相乗効果もあがるはず。本当に好きなものを楽しんで、心の栄養と体の栄養のバランスを取るように。

カカオポリフェノールが含まれるチョコレートケーキ。嗜好品は適当に選ばないこと。食べるときは幸せを極めるべし。

純粋に体のためならアルコールは控えめが無難。心の健康のためなら本当に好きなお酒を選んで、きちんと満足感を得ること。

発酵食を摂る。中でもぬか漬けと塩辛を。

腸内環境の改善や免疫力のアップなどが期待できる発酵食は、積極的に摂っていきたい今や定番の食材。中でもぬか漬けは、その他の漬物と異なりカリウムが豊富。消化もよく胃腸にも負担をかけにくい。

また、非加熱の食材ながら体を冷やさないのも発酵の力によるもの。意外なところでは保存食としても親しまれる海鮮の塩辛もおすすめ。DHAやEPA、タンパク質、酵素や乳酸菌を含み、栄養価が高いので、常備しておきたい食材。

発酵野菜は消化も良く、胃腸にもやさしい。今は手軽に家でも楽しめるぬか床セットも市販されているので挑戦したい。

おつまみに、ご飯の友に、イカの塩辛などシーフード系ならタンパク質も摂れる。ただし塩分は高めなので食べすぎには注意を。

伊達友美

伊達友美 さん (だて・ゆみ)

管理栄養士

管理栄養士、日本抗加齢医学会認定指導士、美容予防医学協会理事。医療法人財団 百葉の会「銀座医院」など4つの医療機関で栄養指導を行っている。著書に『体質改善ダイエット』など。

『クロワッサン』1038号より

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