からだ

疲れに効く8つの食材とは? 適量を毎日の食事にとり入れて。

疲れに特効があることが科学的に裏付けられている8つの食材を紹介します。ぜひ覚えておいてください。
積極的に摂ると疲れ予防になるものや、即効が期待できるものがありますが、それだけを食べれば元気になるわけではありません。
疲れに効くからと集中的に食べるのではなく、適量を毎日の食生活にとり入れてください。
  • 文・韮澤恵理 

【鶏むね肉】

鶏肉は高たんぱく低カロリーのおすすめの食材ですが、中でも鶏むね肉は疲れにくい体づくりに役立つ抗疲労成分イミダペプチドが豊富だと今、大注目です。

渡り鳥がなぜ休まずに飛び続けられるのかという研究から見つかったのが羽のつけ根の筋肉に多く含まれるイミダペプチド。鶏むね肉100gで1日の必要量が摂れるという研究結果があります。同じ理由から、かつおやまぐろなどの回遊魚にも多く含まれます。

消化されたイミダペプチドは、ヒスチジンとβ(ベータ)-アラニンに分解されたあと、脳で再合成され、脳疲労にも効果があります。

【レモン】

疲れたときに酸っぱい物を食べるとすっきりするという人は多いはず。これにはれっきとした理屈があります。

エネルギーを生み出す時にスピードや効率を上げるのがクエン酸回路。そのクエン酸がレモンにはたっぷり含まれています。クエン酸の効果は、梅や酸っぱい柑橘(かんきつ)類などからも得られます。レモンの魅力は、風邪などを防ぐとされるビタミンCが豊富なことも。

さわやかな香りの元であるリモネンは皮にたっぷり含まれていて、リフレッシュやリラックスの効果が認められているので、相乗効果が期待できます。

【梅干し】

梅干しにはレモン同様にクエン酸がたっぷり含まれ、その酸っぱい味が疲労回復に役立つことがわかっています。

クエン酸には血流の改善や血液をサラサラにする効果なども認められ、血流がよくなれば免疫力が高まり、風邪やインフルエンザにかかりにくくなります。
 

また、梅干しを食べたり、見ただけで耳の下がギュッとなり、唾液が出てくる人がいますが、これは酸っぱさを想像しての条件反射。唾液が増えると口の中の乾燥を防ぎ、感染予防にも役立ちます。梅干しの防腐作用は食べ物を傷みにくくするので、食中毒の防止にも。

【にんにく】

にんにくは多くの健康効果があり、昔からスタミナ食材とされてきましたが、その理由はアリシンという刺激成分が豊富なことです。アリシンは硫化アリルともいい、独特のにおいの正体です。ビタミン B1 の吸収を助け、疲労回復や代謝アップの働きもあります。

1990年にアメリカの国立がん研究所ががんになりにくい食材として発表した「デザイナーフーズピラミッド」の頂点で、免疫力を高める効果が認められています。

強い刺激が苦手な人は100度以下の油でゆっくり加熱すると、アリシンがアホエンという成分に変わって食べやすくなります。

【卵】

体のほとんどはたんぱく質でできているので、十分なたんぱく質を摂ることは細胞再生の必須条件。

大きく分けて肉や魚、卵、牛乳などの動物性たんぱく質と、大豆や小麦などに含まれる植物性たんぱく質がありますが、動物性たんぱく質は、体内で作れない必須アミノ酸を多く含みます。植物性たんぱく質だけでは必須アミノ酸をすべて摂ることはできません。

中でも卵は手軽で身近な食材なのに、アミノ酸スコア100。脂質は少ないので、日々の食事で摂りたい食材です。たんぱく質のほとんどは卵白に含まれるので、全卵を利用するのが原則です。

【きのこ】

しいたけ、まいたけ、しめじ、えのき、なめこ、エリンギなど、身近なものだけでも多くの種類があるきのこですが、いずれも食物繊維が豊富でカロリーが低く、ビタミンDの含有量も群を抜いているので骨を丈夫にするなど、美容にも健康にもアンチエイジングにも役立つ食材です。

きのこによって含まれる成分に違いがあるのですが、多くのきのこに含まれるβ-グルカンは免疫力を上げる効果が認められ、抗がん剤などにも応用されています。

一年中手に入りやすく、価格も手頃で、さまざまな調理法に適していることも魅力です。

【ヨーグルト】

腸の調子を整える発酵食品としてすっかりおなじみのヨーグルト。腸には免疫機能が集中しているので、毎日食べることで腸内環境を整えるのはよい習慣です。

牛乳と同じ動物性のたんぱく質ですが、発酵させることで乳糖が分解され、お腹がゴロゴロしにくいという利点もあります。カルシウムも豊富で、血圧の安定や骨密度を高める働きもあります。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌にはいろいろな種類がありますが、必ずしも生きたまま腸に届かなくても効果があり、一度にたくさん食べるよりも毎日食べることが大切な食材です。

【黒酢】

酢の酸っぱさは酢酸やクエン酸によるもので、いずれも疲労回復効果が高い成分です。穀物酢、米酢、ワインビネガーなど、醸造して造った酢はすべて代謝を上げ、疲れをとる働きがあります。さらに、酢には、血圧を安定させたり、血糖値を上がりにくくする効果があることも研究でわかっています。

疲れたときに甘い物が食べたくなるのはエネルギー不足のためですが、いっしょに酢を摂ると、糖がすみやかに使われて疲労を回復し、脂肪に変わるのも防ぎます。

中でも黒酢が健康に役立つのは、代謝に必要なアミノ酸が普通の酢の10倍以上も含まれるためです。

工藤孝文

監修

工藤孝文 さん (くどう・たかふみ)

内科医、漢方医

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療に携わる。著書に『やせる出汁』(アスコム)、『疲れない大百科』(ワニブックス)など多数。テレビ『ガッテン!』『ホンマでっか!? TV』などでも活躍。

『Dr.クロワッサン 免疫力を強くする、疲れない体のつくり方。』(2020年6月26日発行)より。

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