年間20冊の本を書き続ける医師・白澤卓二さんが健康のためにやっていること5つ。
文・浅羽 晃 イラストレーション・山下カヨコ 撮影・岩本慶三
こんな健康法をやっています!
ドクター白澤健康法(1)パン、白米の代わりに、ミネラル豊富な玄米にする。
精製された塩や砂糖が健康にマイナスなのと似た理由で、白米や小麦粉にも問題があります。白米は精米の過程でさまざまな栄養素が取り除かれ、ほとんど糖の塊という状態に。血糖値を急上昇させる食品です。また、小麦粉を使ったパンやパスタは、アミロペクチンAというスーパー糖質が、白米以上に血糖値を上昇させ、肥満にもつながります。
「主食は玄米が理想です。ぬかと胚芽の部分には、ビタミンB群やマグネシウム、カリウム、カルシウム、鉄、マンガンなどの大切な栄養素が多く含まれています」
ドクター白澤健康法(2)味噌、しょうゆも生きているものを選んで。
味噌やしょうゆも厳選しましょう。添加物を使用しない〝生きている〟ものが理想です。
「味噌もしょうゆも自然塩を使って、自分で造ればいいのです。それが難しいのであれば、スーパーでは買わずに、無添加の天然醸造にこだわる蔵元から取り寄せるのもいいでしょう」
白澤さんが設立した老人ホームで使っているしょうゆは、どろりとしています。フィルターで濾過しない〝もろみ〟だからです。
「一般的に、しょうゆとは濾過するものという固定観念がありますが、原点に立ち返れば、もろみのままでいいのです。風味も豊かさがあり、全然違います」
ドクター白澤健康法(3)ワイン選びの基準は、おいしくて安心できること。
忙しいからこそ、リラックスするひとときが大切。白澤さんの活力源は、大好きなワインです。
「白はニュージーランドのシャルドネの有機。カリフォルニアのナパバレー産よりもおいしい。赤は北イタリアからアマローネを取り寄せています。干しぶどうにしてから醸造するので、濃厚です」
ドクター白澤健康法(4)育て方が質を決定するから牛肉は放牧牛を選ぶ。
飼料添加物を大量に使って育てた畜産動物の食肉は、健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。肉も安全性を重視して選びましょう。
白澤さんは、牛肉はニュージーランドの牧草牛をすすめます。
「牧草の状態がいい牧場で、放牧して育てています。安全ですし、味もすばらしい」
ドクター白澤健康法(5)正しい食事で健康を保ち、年間20冊の本を書き続ける。
白澤さんは年間20冊の本を、コンスタントに15年間、書き続けています。早朝に自宅で執筆、昼間はクリニックで診療、夜は街に出て仕事の打ち合わせというように、1日の労働時間が18時間に及ぶことも少なくありません。
「診療を続けて、昼食を取らないことはよくあります。睡眠も4時間で、早く寝たとしても自然に目が覚めてしまいます」
それでも61歳になる現在まで大きな病気をしたことはなく、10年以上、体重も維持しています。
「同じサイズの背広に自分を入れるのが、ポリシーです」
健康でいられるのは、安全な食材を使った健康的な食事を心がけていることが大きいのでしょう。そして、常に目標を持つことで脳の健康を保つことも、若々しさを保つ秘訣のように思えます。
「研究成果を臨床で生かせていることにやりがいを感じています」と白澤さん。
『Dr.クロワッサン あなたも、すぐできる! 名医の健康法』(2019年9月28日発行)より。