自律神経の第一人者、医師・小林弘幸さんの「3行日記健康法」。
文・浅羽 晃 イラストレーション・山下カヨコ 撮影・岩本慶三
ドクター小林健康法(2)パソコンやスマホでなく、手で紙に書くことが大切。
3行日記は手で日記帳に書いてこそ、意味があります。
「手を使うことが脳の刺激になります。また、自律神経が乱れると文字も乱れるので、自律神経の状態を知る手がかりにもなります。一方、パソコンやスマホは、画面のブルーライトが睡眠などに影響するという問題があります」
仕事でもプライベートでも、手で文字を書く時間は、ワープロやメールが一般化する前よりはかなり短くなっています。一日一度、思いを込めて文字を書く時間をもつことは、それ自体が大事なことなのではないでしょうか。
ドクター小林健康法(3)書けなかった日の日記は、必ず後日、思い出して書く。
日記は毎日つけることが原則でも、仕事が忙しかったり、体調が悪かったりして、書けない日もあることでしょう。そのようなときは、翌日でも3日後でも、1週間分まとめてでもいいので、思い出して、必ず書くことです。
「空白ができたら埋めることが、〝現在進行形の自分史〟である日記を継続する秘訣です。また、日記を書くことで区切りがつき、達成感を得られます。日々、生活していて、達成感を得られることはなかなかないでしょう。達成感を確かなものにするためにも、空白はつくらないことです」
ドクター小林健康法(4)ベット脇に置いて寝る前に忘れずつける習慣を。
3行日記を無理することなく書き続けるには、ちょっとした工夫が効果的。小林さんは、日記帳を寝室に置いています。
「ベッド脇に置いてあれば、忘れないですからね」
寝室で書くと、自律神経のバランスが整った状態で、そのまま眠りにつけるのもメリットです。質のいい睡眠となり、気持ちよく目覚めることができるでしょう。
もちろん、書くのはキッチンのテーブルでも、書斎のデスクでもOK。一人になる時間を確保できて、自分がいちばんくつろげる場所がベストです。
ドクター小林健康法(5)3行日記を振り返ることで、体調チェックができる。
自分と正直に向き合う3行日記には、おのずと心身の状態が反映されます。弱気な言葉が並んでいれば、心が弱っているのかもしれません。弱気の原因が、体調不良ということもあるでしょう。
日記を書き続けると、心身の状態を継続観察できるのです。
「私はいま、5年分を書ける日記帳を使っているので、“1年前はどうしていた?”“2年前は?”などと振り返ることがあります。同じ日を振り返ることは重要です。そうやってわかるのは、嫌なことがあっても、時間が解決してくれるということです」
『Dr.クロワッサン あなたも、すぐできる! 名医の健康法』(2019年9月28日発行)より。