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味噌に麹、キムチ、納豆。発酵食で肌荒れ知らずの風邪知らず。

生きた菌がうま味を醸す発酵食。日々の食事に取り入れている和田明日香さんに、菌活への目覚めや菌との付き合い方を聞きました。
  • 撮影・黒川ひろみ 文・日高むつみ

「毎日、目に見えて変化がわかる。麹って生き物だなあとかわいくなって」

和田明日香さん 食育インストラクター

弾むような素肌に、すっきり健康的なスタイル。3児の母とは思えないほど、いつも溌剌とした印象の和田明日香さん。子育てをしながらテレビや雑誌でレシピを紹介、コラム執筆や食育に関する講演会までこなす元気の秘密は、日々の発酵食にある。

「朝食か夕食には必ず味噌汁をいただきます。自家製の塩麹と醤油麹は、おかずの味付けやお弁当にと毎日何かしらに使っていますね。キムチと納豆、ヨーグルトは冷蔵庫から切らしたことがありません。おかげでとにかく丈夫」

食べることも、お酒を飲むことも大好きで、たまには夜更かしも。仕事では厚いメイクを施されることもある。それでも肌トラブルとは縁がない。

「子どもたちも風邪知らず。インフルエンザが流行っていても長女と次女はかからず、長男はかかったものの軽い症状で早いうちに治りました。やはり、食べものの力は大きいと実感しました」

結婚前はキャベツとレタスの違いもおぼつかなかった和田さん。料理に目覚めたのは、義母・平野レミさんの影響によるところが大きい。発酵食に興味を持ったのも、レミさんの味噌使いを見たのがきっかけだった。

「味噌を何種類か1つのストッカーに入れて保存していたんです。それを、作る料理に合わせてヘラで少しずつとって混ぜ合わせる。初めて見た時、カッコいいなあ、これが料理できる人の味噌の使い方なんだなあと」

そこで和田さんは即行動。味噌ソムリエにコンタクトを取ってインタビュー。コラム記事にまとめあげた。

「味噌って深い。同じ大豆を使っても麹が違えば別ものになる。日本伝統の麹菌のすごさも学び直しました」

【私の味噌活!】

農家の岩田さん自家製味噌の1年ものと2年もの、麦味噌、合わせ味噌で容器を4分割。料理に合わせ、使う味噌とブレンドを変える。

まるで鰻屋の秘伝のタレ。継ぎ足し仕込む醤油麹と塩麹。

もともと和田家にはレミさんが懇意にしている大分の農家・岩田さんから、手作りの味噌や米麹が届いていた。

「岩田さんは我が家にとって親戚のおじさんのような存在。収穫したての野菜や椎茸と一緒に味噌や麹も送ってくれるんです。発酵食のおもしろさを知ってからは、岩田さんの米麹で醤油麹や塩麹を作るようになりました」

特に醤油麹を作ったことで、ますます発酵食にはまったと和田さん。

「まずは、ほぐした米麹に醤油をじゃぶじゃぶ注ぐんですが、翌日には米麹が醤油を吸いきってふっくら膨らんでくる。さらに醤油を注いで毎日かき回していると、目に見えて様子が変わっていくんですね。かわいいなあ、生き物なんだなあっと思って。育てていくのが楽しくなります」

和田家では、醤油麹も塩麹も米麹の割合が多い贅沢仕様。米麹をたっぷり送ってくれる岩田さんのおかげで、うま味が深いと和田さんは言う。

【菌活のカナメ!】

保存袋に入れた岩田さんの米麹を、塩と水で10日間ほど発酵させると塩麹(右)に。醤油麹は醤油を注いで1週間ほど。米麹が柔らかくほぐれたら使い時。

セロリの塩麹ナムル

【材料(2人分)】
セロリ2本
すりおろしにんにく少々
塩麹大さじ1
ごま油大さじ1

【作り方】
1.セロリの茎部分を1cmほどの斜め薄切りにする。
2.にんにくと塩麹、ごま油を合わせてなじませたらセロリを加えて和え、好みでちぎった焼き海苔を混ぜ合わせる。

麹ドレッシング

【材料(2人分)】
塩麹大さじ1
オリーブオイル大さじ3
すりおろしにんにく少々

【作り方】
塩麹とオリーブオイルを泡立て器でよく混ぜ、にんにくを加える。
※にんにくを玉ねぎのすりおろしに代えたり、好みでビネガーを加えても。

弁当の仕込みや料理の味付けに 何役もこなす万能選手。

醤油麹も塩麹も、一度仕込めばあとは麹を足すだけで手間いらず。和田さんにとっては、料理の手間を省いてくれる強力な助っ人だ。

「お肉やお魚を前の日の晩に漬けておけば、朝は焼くだけでお弁当のメインのおかずになる。麹の力でうま味が凝縮されているだけでなく、肉質も柔らかに。豚の赤身肉は冷めてもおいしいと、子どもたちにも好評です」

塩や醤油単体で味付けするより、食材と味がなじみやすいので、ラペやナムルを作るのも簡単だと和田さん。

「味のベースができているので、失敗がない感じ。鶏唐揚げの下味にしたり、オイルでのばしてドレッシングにしたり、魚のアラでとったスープにちょい足ししたり。これからの季節は、しゃぶしゃぶや水炊きなど鍋にも活躍。ニラやねぎなど刻んだ薬味をたっぷり足すだけでおいしいタレに」

和田家の食卓には発酵食があるのが当たり前。日々意識せずとも自然と、よい菌を体に取り込んでいる。

「旅行などで家を離れて、いつもの食事から遠ざかると途端に便秘に。いかに普段の発酵食が健康に役立っているかを実感します。菌活は子どもたちにも伝えていきたいですね」

【これはオススメ!】

カナモト こわだりキムチ

うま味の決め手となる鰯の塩辛は1年熟成。信州の高原で育つ白菜も自家製の本格的味わい。320g 498円※参考価格。問合せ TEL.0268-62-0781

「バランスのよい腸内環境は健康に必須。 生きた菌が毎日頑張ってくれています」

和田明日香(わだ・あすか)さん

食育インストラクター。
料理研究家・平野レミの次男と結婚後、料理修業を重ね食育インストラクター資格を取得。新刊『ほったらかしレシピ・献立編』が9月30日発売予定。

『クロワッサン』1029号より

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