手の指をしっかりほぐして、こり、冷え、むくみを解消。
イラストレーション・柿崎サラ 文・知井恵理
いつでも手軽にできる手指まわしで、指先から不調を予防する。
痛みがないからといって、自分の手は健康と安心するのは早合点。「以前より指全体が太くなったり、関節がふくらんだりなどの“異変”があれば、年齢に関係なく、血行不良によるむくみ、靱帯や関節などの硬化が始まりだしている兆し。毎日ケアをすると、若いときと同じやわらかい動きとほっそりとした指先をキープできます」
逆に、ケアをせず放っておくと、「硬くなった筋肉を動かそうと関節の負担が増え、痛みや変形、50代以降に多いバネ指や、しびれといった不調が生じがちです」
そこで、手指まわしの出番。正しい効果を得るには3つのコツがある。まず「関節を意識」しながらまわすこと。まわすことよりも、まわすような動きで“関節をじっくり動かす”ことを心がける。2つめは、回数は少なくてもいいのでゆっくりまわすこと。イタ気持ちいい程度の力でまわすと、さらに効果大。3つめは、片方の手のケアを終えてからもう一方を行うこと。すると、ケアした手の動きが軽くなっているのを実感しやすい。
「行うタイミングは、起床後や仕事の合間、お風呂に入っているときなど〝ながら〟で大丈夫です。手指まわしをすると手が温まり、指先から血液がめぐって体もポカポカと温まるので、更年期の不調の予防や改善にも役立ちます」
1.手指まわし
指中の関節をゆっくりまわして動かす。
指の第3関節をしっかり持ち、左右にゆっくりまわす。小指から始め、第3、第2、第1関節と指先に向かってひとつずつ関節をまわす。動きが悪い関節は、痛くない程度に念入りに動かすこと。
2.関節ほぐし
周りをやさしくほぐして関節が動くのを意識。
指の第1関節を持ち、指の腹で関節をやさしく揉んだら、ゆっくり曲げたり引っ張ったりしてほぐす。親指から始め、第1、第2、第3関節と続ける。
3.指のばし
指の側面を刺激して指先まで血流を促す。
指の側面を挟んで持ち、根元から指先までやさしく滑らせながら揉む。爪の横もしっかりと揉んだら、最後はスポンと指を引き抜くように手を離す。
4.手のひらほぐし
こりがちな手のひらをやわらかくふかふかに。
1.手の手根部の中心をしっかりとつかみ、筋肉を動かすように親指で上下にこする。
2.親指側のふくらんだ部分を平らに広げるように、手根部の中心から親指を滑らせて刺激する。小指側のふくらんだ部分も同様に。
5.手首のばし
つまりを取り除くイメージでひねってのばす。
片方の手でもう一方の手の付け根を持ち、
1.手首を左右にひねる。
2.次に、手首を引っ張る。そのとき、引っ張られたほうのひじは動かさないように。手首の関節を動かすよう意識しながら行うこと。
『クロワッサン』1022号より
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