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間違った座り姿勢が不調のもと?究極の座り方で、肩こり・腰痛改善。

日々の座り方を変えるだけで、肩のこりや腰痛だけでなく、頭痛やむくみ、慢性的な疲労感まで改善へと導く。誰でもできる座り方をWHO基準カイロプラクターの木津直昭さんがレクチャー。

撮影・中島慶子 スタイリング・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) モデル・Asami イラストレーション・大庫真理 文・板倉みきこ

座りっぱなしの時間が世界でも極めて長いといわれる日本。でも日本人の多くが、座ることのリスクに気づかないまま毎日長時間座り続け、体調不良を招いている、と警鐘を鳴らすWHO基準カイロプラクターの木津直昭さん。座りっぱなしは、筋肉や関節、内臓に過度の負担をかけ、全身の血流が滞り、肩こりや腰痛、むくみや胃腸の機能低下など様々な不調を生むのだ。

「そもそも、動き回る動物である人間の体は、長時間座り続けるようにはできていません。立ち仕事がハードという印象がありますが、座りっぱなしよりマシなほどです(下図参照)」

姿勢ごとの“椎間板”にかかる負担の比較(直立の姿勢を100とした場合)

椎間板とは、背中の一つ一つの骨(椎骨)の間にあり、クッションの役割を担う軟骨で、背骨の柔軟性や可動性に関与。姿勢によって、椎間板への負担が異なることがよくわかる。参考資料:ナッケムソン「姿勢の変化による椎間板内圧の変化」
椎間板とは、背中の一つ一つの骨(椎骨)の間にあり、クッションの役割を担う軟骨で、背骨の柔軟性や可動性に関与。姿勢によって、椎間板への負担が異なることがよくわかる。参考資料:ナッケムソン「姿勢の変化による椎間板内圧の変化」

さらに座り姿勢は、頭、顔の位置が体の重心より前にいきやすい傾向が。頭の重さは体重の10%程度とされるので、体重50kgなら約5kgになる。

「正しい姿勢を取り、体の中心に頭がきていれば、体が受ける負荷は5㎏ですが、少し下を向くだけで約3倍の15kgにもなります。その重みを、肩や首の筋肉だけで維持しようとするので、肩や首のこり、背中の張りなどが生まれるのは当然でしょう」

木津さんによれば、悪い座り姿勢は、基本的に猫背グループと反り腰グループに分けられる(後述する「不調を生んでいるのは、こんな座り方」を参照)。

「筋肉をできるだけ使わず、楽して座ろうとすると悪い姿勢になっていきます。女性は見た目だけ姿勢を良くしようと、反り腰が多い傾向にあります。でも、どちらも本来の正しい姿勢ではないので、横隔膜が使いづらく呼吸が浅くなったり、長時間負荷がかかり続けた部位には歪みが生じます」

とはいえ、現代社会で座らずに生活したり、仕事をすることは不可能。そこで木津さんが提唱するのが、座り姿勢の肝となる骨盤が安定して立ち、その上にくる背骨が、本来持つカーブを維持できる、疲れにくい究極の座り方。

「座る時間が長いからこそ、座り方を変えるだけで体調不良を防げ、自分の体の変化にも気づきやすいでしょう。これを機に、1時間おきに立つなど、座りっぱなしの習慣も改めてください」

常に維持したい背骨のカーブ

頚椎から尾骨につながる背骨は、重力に対抗するため3つのカーブでできている。このカーブを維持すれば、骨や筋肉などへの負担が軽減。
頚椎から尾骨につながる背骨は、重力に対抗するため3つのカーブでできている。このカーブを維持すれば、骨や筋肉などへの負担が軽減。
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