からだ

女性ホルモンが激減する、閉経後のダイエットの心得。

  • イラストレーション・木下綾乃 文・石飛カノ

[心得1]むやみに食事量を減らしてはいけない。

脂肪や糖質の代謝を促してくれるエストロゲンの助けが得られなくなる閉経後は、何もしないでいると一日のエネルギー代謝量が減ってしまう。つまり、閉経前と同じカロリーの食事を摂っていると痩せるどころか太りやすくなるということ。

でも、だからといって閉経前より食事量を極端に減らす必要はない、と千代倉さんは言う。

「あまりカロリーを減らしてしまうと、今度は骨の形成や筋肉の合成能力が落ちてしまうからです。筋肉が減れば基礎代謝はますます落ちてしまうので、逆に体重のコントロールがしにくい身体になってしまいます」

閉経前に引き続き、良質のタンパク質とカルシウム、ビタミンD、ビタミンKといった栄養素は積極的に摂ること。

「動物性タンパク質に含まれるロイシンというアミノ酸は筋肉合成を促すので、肉、魚などを主菜に。脂質少なめの赤身部分がおすすめです。また、女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボンを含む植物性タンパク質を取り入れてもいいでしょう。ただし、不正出血を起こすこともあるので食べ過ぎは禁物です」

赤身の肉や、大豆イソフラボンを含む豆乳、大豆製品などをバランスよく取り入れる。

[心得2]いきなり激しい運動は控えるべし。

閉経後に代謝が落ちてしまうことは仕方のないこと。ならば、運動で代謝量を上げていくしか方法はない。

ところが千代倉さんによると、基礎代謝が落ちて筋肉や骨密度も低下した状態で激しい運動を行うと、骨折してしまうケースが少なくないという。

「骨折して手術をしたら身体はダメージを受け、ますます基礎代謝が落ちてダイエットどころではなくなります。そうならないよう、中等度以下の有酸素運動を行いましょう。おすすめは30分ほどの早歩きを毎日行うこと。最初から激しい運動に取り組もうとすると長続きしません」

また、本格的に運動を始める前に筋肉量や骨密度のチェックをしておくことも重要。これらの検査をせずに無理な運動に取り組むと、骨折から寝たきり状態になることもあるからだ。

定期的にこれらのチェックをしてくれる婦人科のかかりつけ医を見つけておくと安心。

1 2 3
この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE

※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

人気記事ランキング

  • 最新
  • 週間
  • 月間