からだ

若返りホルモン(DHEA)を摂って、太りにくい体になる。柴田理恵さんが専門家に学びました。

  • 撮影・岩本慶三 文・寺田和代

豚肉や牛肉は少なめ。タンパク質は青魚中心に魚、鶏肉、卵、大豆で。

\タンパク質は鶏肉、魚を中心に。発酵食品を毎日とりましょう。/(満尾さん)

柴田 高齢になるほど牛や豚の肉を食べたほうがいい、というのが最近のトレンドだったような……。

満尾 ええ。ただ、肉食が過ぎると、動脈硬化やがんなどを引き起こす炎症物質が体内で生成されるなどむしろネガティブな側面が大きい。タンパク質をとるには、魚を週の半分、それ以外は鶏肉、卵、豆を基本にすることをすすめています。魚はできればマグロなどの大型魚より、血流を良くするEPAなどを豊富に含むアジ、サバ、イワシなどの青魚を。

柴田 富山県人なのでマグロよりブリに馴染んできました。ブリは高価なので関東でワカシ、イナダなどと呼ばれる幼魚時代の小さな魚をよく食べます。

満尾 最近は、海洋汚染の害を避けるという意味でも、海の食物連鎖の下位にある小さな魚を摂取することがさまざまなデータをもとに推奨されています

柴田 調理法についてはどうでしょう。

満尾 調理の加熱温度は高くなるほど栄養素が壊れたり、有害物質を生成しやすくなります。最もいいのは生。生で食べられないものは、蒸す→ゆでる→揚げる→焼くが、体に良いとされる調理法の順番です。鶏肉なら、グリルより蒸し鶏がおすすめというわけです。

柴田 時間が不規則な仕事なので、食べる時間も気になります。

満尾 体にはリズムがあり、消化器の働きは時間帯によって変わります。太りにくい体を維持するうえで参考になるのが日内変動のリズムです。具体的には午前中は排泄の時間帯ですから胃腸に負担をかけないよう食事は軽めにし、消化力が高まる午後は栄養豊富な食事をたっぷりと。夜は、消費しきれなかったエネルギーを脂肪として溜め込みやすいので軽めが正解です。

日内変動のリズムを味方に。

柴田 私はふだん朝7時半くらいに味噌汁、ご飯、納豆など和食中心の朝食をとり、夕飯を6時か7時に食べられる日は、その間はごく軽めか、何も食べません。その分、夕食はお酒を飲みながら好きなものをバランスよく。

満尾 いいと思います。

柴田 3食きちんととらなきゃダメかと思っていました。

満尾 決まって3食食べることより、空腹でもないのに食べているデメリットのほうが大きいのです。

柴田 お腹を休ませることが大切なんですね。

満尾 そうです。食事の時間だからといって空腹でもないのに食べるのは、胃腸をはじめ内臓器官に負担をかけて老化や太りやすさを促してしまいます。他方、空腹にはオートファジーといって、細胞自体にデトックス作用を促す効果がありますから、若い体を維持するためにも空腹の時間を意識的に取ることが必要です。

柴田 最後に私の不安を一つ聞いてください。太りにくい体、老けない体と聞いて私がいちばん心配なのは、アルコールなんです。美味しい料理とお酒が毎晩の楽しみで、休肝日を作れって言われてもなかなかできなくて……。

満尾 私も毎晩飲みますよ。量はどれくらいですか?

柴田 夫婦2人でまずビール中瓶1本、そのあとに日本酒ならお銚子1本ずつ、ワインなら2人でボトル1本。

満尾 やや多めながら適量の範囲です。ビールのホップには女性ホルモンに似た働きも。女性がビールを飲むことを私はむしろ勧めています。肝臓機能値に問題がなければ続けて大丈夫ですよ。

柴田 あー、よかった!

\空腹の時間をとって、お腹を休ませるのが大切なんですね。/(柴田さん)

満尾 正(みつお・ただし)さん●「満尾クリニック」院長、医学博士。北海道大学医学部卒業後、ハーバード大学研究員等を経て日本初のアンチエイジング専門クリニックを開設。著書多数。

柴田理恵(しばた・りえ)さん●女優、タレント。テレビ、ラジオ、ほかで幅広く活躍。5月に舞台『王と花魁』公演予定。詳細は、http://www.wahahahompo.co.jp/stage/koen/zentai/thegreatestkabuki/

『クロワッサン』1013号より

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