楊さちこさんが伝授。低体温を知る10カ条。
撮影・青木和義 スタイリング・中根美和子 ヘア&メイク・安藤洸飛(新井健生事務所)文・知井恵理
楊さちこ(よう・さちこ)さん
中医医学博士。1961年、大阪生まれ。世界中医薬学会連合会亜健康専業委員会常務理事。香港在住。「体の中からきれいになる」中医学のノウハウを発信。著書多数。
肌荒れしやすくなった。なんだか疲れやすい。「こんな症状は“低体温”が招いているかもしれません」と注意を促すのは中医医学博士の楊さちこさん。ここでいう“低体温”は、日本人の平均体温である36〜37度よりも低いこと、平熱が36度未満の状態を指す。
「中医学では、内分泌系と泌尿生殖器系を司る腎の役割のひとつに“命門の火”(生まれながらに持っている生命の原動力)があります。腎の働きが悪くなるとこの火が弱くなって低体温になると考えられます」
体温を作る内臓の活動が弱いと体内に熱を生み出せず、血液も温まらないため、つねに体温が下がった状態が続いてしまう。こうした低体温下による悪影響は、冷えにとどまらない。
「免疫や抵抗力が弱まることによって、アレルギー症状をはじめとした不調が起きやすくなります。また、食べたものをエネルギーにする力が弱まり、何かと疲れやすく、やがて無気力となって心も体も動かしづらくなるのです」
さらに怖いのは、冷えの自覚がない人でも、低体温の可能性があること。
「筋肉のこわばりや固まり、肌やのどの乾燥、末端の冷えを感じている方は、低体温に進行しやすい状態にあるといえます。こうした症状がなくても、発汗後やクーラーの利いた室内では誰しも体が冷えるもの。低体温に陥る環境は身近に存在します。だからこそ、体を〝冷やさない知恵〟を身につけることが大事です。食事や運動、日々の生活習慣で冷えに対する正しい対策をするのが大切。うるおいと温かさで体がリラックスした状態を保てるように心がけると、冷えや不調とおさらばして冬でも快適に過ごせますよ」
楊さんの手は実際にとても温かくて、終始ご機嫌な表情。こんなぽかぽかゆるゆるを目指して、いざ脱・低体温!
人の体の生理時間表
本来備わっている体の時間表に合わせて生活すると、体調が整いやすくなる。できる範囲でトライを。
【7:00~9:00】 目覚めの時間
起きたらすぐ1杯の白湯を。夜に蓄積した老廃物の排出が促される。
【9:00~12:00】 仕事や勉強の時間
気や血の働きが充実し、記憶力が冴える。負荷が高い仕事はここで!
【12:00~13:00】 休憩とランチの時間
食後は外の新鮮な空気でリフレッシュし、午後の効率を高める。
【13:00~14:00】 疲れを感じる時間
血液とホルモンの分泌がスローダウン。頭より体を軽く動かして。
【14:00~16:00】 仕事モード復活の時間
五感が敏感になり、集中力も上がる時間。仕事や家事、勉強に最適。
【16:00~18:00】 体を動かす時間
積極的に体を動かしたり、食前にお風呂に浸かるのがおすすめ。
【18:00~20:00】 リラックスの時間
情緒不安定になりやすいが、20時までに夕食を終えると落ち着く。
【20:00~21:00】 夜のいちばん敏感な時間
血圧が下がるため、スキンケアはこの後の時間に。仕事や運動はOK。
【21:00~23:00】 リンパの排毒時間
体が体内の毒素を排出、入浴に最適。23時までに就寝すると効果大。
【23:00~1:00】 肝の排毒時間
肝臓が体の毒素を排出する時間。細胞の成長と修復の速度がアップ。
【1:00~3:00】 胆の排毒時間
胆のうの排毒が進み、肌にしみができにくくなる。熟睡が条件に。
【0:00~4:00】 熟睡するべき時間
脊椎が造血を行う時間帯。起きていると造血過程に影響を及ぼす。
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