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〈睡眠〉大切なのは量よりも質。寝る前にリラックスできるかが快眠の鍵。

40歳前後からホルモンの関係で睡眠が浅くなり、「なんだか調子悪い」が増える。ホリスティックビューティエキスパートの尾野真美子さんに睡眠と深く関わる入浴も含めて、工夫点を教えてもらった。

撮影・中島慶子(尾野さん)、黒川ひろみ(商品) イラストレーション・山中玲奈 文・嶌 陽子

Q. 「睡眠のゴールデンタイム」は本当にあるんでしょうか?

よく耳にするのが「午後10時から午前2時は睡眠のゴールデンタイム。この時間帯に寝ないと健康にも美容にも悪い」という説。これは本当なのだろうか。

「厳密に言えば、人によって違います。たとえば仕事が夜勤の人の場合、午後10時に寝るのは難しいですよね。睡眠にとって最も大事なのは、時間帯より質のよい眠りをとること。深く眠ることができれば、寝ている間に体内で成長ホルモンの分泌、造血、免疫細胞の生成、新陳代謝の活性化が行われるのです」

ただし人間の体は本来、日中の明るい時間は活動モードに、夜の暗い時間は休息モードになっているのも事実。

「可能であれば、せめて午後10時から午前2時の間に入眠するのが理想的です」

睡眠中の体内では、体を健やかに保つためにさまざまなことが行われているのだ。
睡眠中の体内では、体を健やかに保つためにさまざまなことが行われているのだ。

Q.寝酒が長年の習慣に。これってNGでしょうか。

「少量のお酒は、人によっては体を弛緩させる効果も。でも、顔が赤くなったり動悸がしたりするのは交感神経が刺激されている証拠。眠りが浅くなり、睡眠の効果を充分に得られません。飲むならほろ酔いになる手前、ほんの少量にとどめましょう」

また、睡眠導入剤を用いるのにも注意が必要だ。

「睡眠導入剤の中には良質な睡眠に不可欠なホルモン、メラトニンに似た作用を持つ薬もあります。これを常用すると、体が自らメラトニンを作らないことに慣れてしまいます。服用する場合は医師と相談の上、期間を決めて」

なるべくお酒や薬などに依存しすぎず、自然に眠れるような体作りを目指したい。

飲むならひと口程度。お酒で眠くなっても質のよい睡眠は得られないことを知っておこう。
飲むならひと口程度。お酒で眠くなっても質のよい睡眠は得られないことを知っておこう。

Q.年々寝つきが悪くなる気が。どうすればいいですか?

「日によって寝つくまでの時間にはバラツキがあるのは当然です。あまり気にしすぎると、かえって眠れないことに。体に任せるような、ゆったりとした気持ちで過ごすといいでしょう」

尾野さんおすすめのリラックス方法は、深呼吸とツボ押しだ。

「両方とも副交感神経を刺激する効果があります。深呼吸は、仰向けの姿勢で5秒吸って7秒吐く腹式呼吸を20回ほどを目安に行います。胸とお腹に空気を入れ、それを吐き出すイメージです」

副交感神経を刺激するツボは、手足ともに、薬指以外の爪の生え際の両サイドだ。

「1カ所につき、10〜20秒ほどかけて、“イタ気持ちいい”と感じるくらいの強さで押してください」

いつでもどこでもできて簡単。薬指だけは交感神経を刺激するので、押さないように注意。
いつでもどこでもできて簡単。薬指だけは交感神経を刺激するので、押さないように注意。

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