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リモートでの仕事が増え、気持ちの落ち込みが……。年齢と関係ありますか。【88歳の現役婦人科医師 Dr.野末の女性ホルモン講座】

産婦人科医師の野末悦子さんに教わります。
  • 撮影・岩本慶三 イラストレーション・小迎裕美子 構成・越川典子

Q. リモートでの仕事が増え、気持ちの落ち込みが……。年齢と関係ありますか。

48歳の会社員。小さなマンションで一人暮らしです。
仕事は9割リモートなので話し相手もなく、ストレスフルな毎日を過ごしています。
状況のせいなのか、年齢のせいなのか、イライラして過食したり、急に泣きたくなったり、電話で母親に感情をぶつけてしまったり。
月経の量は少なく、間隔も空いてきているので、そろそろ閉経かと……。
婦人科へ行くべきか、それとも心療内科に行ったほうがよいでしょうか。(M・Kさん 48歳 会社員)

A.更年期症状が自分の置かれた環境で重くなることはあります。

M・Kさん、いまの状況、おつらいですね。人とふれ合えないというのは、この上ない試練のように感じてしまいます。電話でも、手紙でも、スカイプでも、ズームでも、誰かとつながっていることを感じられる時間をとってくださいね。

さて、M・Kさんの症状についてです。以前も誌面でお伝えしましたが、更年期症状は、

●身体的要素
●心理的要素
●社会的・環境的要素

の3つによって、大きく左右されます。
新型コロナウイルスの影響もいつまで続くのか、当分、見通しが立たないでしょう。ストレスフルな状況を作っているのは、対処法が見えないこと、自分でコントロールできないことが原因です。
ものは考えようです。「わからないものに、むやみに振り回されるのはやめよう」と決めませんか。その中で、「自分ができること」を見つけ、一つひとつ実行していきましょう。

コロナ禍でどんな影響があったか

食生活は改善した人がいるが、一方、精神的な疲れが増え、運動する機会が減ったことがわかった。資料:NPO法人 女性の健康とメノポーズ協会

M・Kさんができること。一つは、体調を少しでも改善するために、医療の手を借りることです。

勤務先の産業医に相談してみるのもいいのですが、婦人科領域に詳しいとは限りません。
年齢的にも、更年期に差しかかっていると思われるので、更年期外来がある病院、クリニックに行くことをおすすめします。
治療もスムーズでしょうし、もしカウンセリングが必要な場合でしたら、専門医と連携をとっているところもあると思います。

ホルモン補充療法(HRT)は、女性ホルモンが欠乏している人に行う治療です。足りないものを補う、しかもその量は微量です。ですからM・Kさんの諸症状すべてを解決するわけではありませんが、体調の「底上げ」をしてくれるはずです。

※症状や治療法には個人差があります。必ず専門医にご相談ください。

HRTは、体調の「底上げ」効果に期待しよう。(Dr.野末)

野末悦子

野末悦子 さん (のずえ・えつこ)

産婦人科医師

横浜市立大学医学部卒業。川崎協同病院副院長、コスモス女性クリニック院長、久地診療所初代所長、介護老人保健施設「樹の丘」施設長などを歴任。

『クロワッサン』1042号より

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