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京都の文化エリア、岡崎。芸術鑑賞の後は気鋭のイタリアンへ。

京都の文化エリア、岡崎で芸術を堪能し、気鋭のイタリア料理店へ。

細見美術館や京都国立近代美術館が位置する岡崎エリアは、ほかに京都市美術館や府立図書館、劇場などが立ち並ぶ文化ゾーンだ。平安神宮の巨大な赤い鳥居のそばに立つのが、京都国立近代美術館。国立近代美術館の分館として発足し、その後独立。近代の京都をはじめ、関西を中心に活躍した芸術家の作品を収集している。企画展は洋の東西を問わず、刺激的なものも多い。館内の『café de 505』は、琵琶湖疏水に面し、ガラス張りの店内からは疎水の流れを眺められる。細見美術館は、実業家で日本美術のコレクターだった細見古香庵にはじまる三代が蒐集した美術品を基礎に開館した私設美術館。人気の伊藤若冲や琳派の名品などが充実。館内にはカフェと茶室があり、鑑賞の合間に一服できる。細見美術館から北に歩くと、『cenci』。うっかり見逃してしまいそうな佇まい。鮮烈な料理に満足。

細見美術館/茶室 古香庵

細見美術館の建物は、うなぎの寝床と言われることもある奥行きの深い京町家をイメージして設計されている。観覧者は階段を上り下りしながら展示室をめぐっていく。そんな美術館の最上階は開放的だ。大屋根の下に構えられた茶室・古香庵。数寄屋建築の名匠・中村外二氏の遺作として知られ、端正な佇まい、伝統的な室礼をゆっくり鑑賞しよう。東に目を向ければ、岡崎公園の緑越しに東山の峰々が広がる。茶室の前の床几に腰を下ろして、抹茶と季節のお菓子で、一服することもできる。

●細見美術館  京都市左京区岡崎最勝寺町6・3 ☎︎075・752・5555 開館時間:美術館・ショップ10時~18時、茶室11時~17時、カフェ10時30分~22時30分 ㊡月曜(月曜が祝日の場合は翌日)、展示替期間、年末年始 入館料は展覧会によって異なる。

●茶室古香庵 細見美術館3階 ☎︎075・752・5555 開室時間11時~17時 不定休 

茶室では、コレクションの室礼を用いた公募の茶会が開かれている。

京都国立近代美術館/cafe de 505

京都国立近代美術館の入り口を入って左手にあるカフェ。琵琶湖疏水に面し、のんびりできる。暖かい日は、テラス席も気持ちいい。

 イタリアから輸入した製麺機で打つパスタは、ソースとの絡みがいい。パスタのメニューは、版画を教えているスタッフによる手描きで、具材についてもあれこれ説明が書き込まれていて、どれを食べようか迷ってしまう。

 定番のトマトソースベースのパスタのほか、ビーフシチューベース、絹ごし豆腐と明太子のカルボナーラなど、温かくてコクのあるパスタが秋冬のおすすめだ。

●京都国立近代美術館 京都市左京区岡崎円勝寺町 ☎︎075・761・4111 開館時間9時30分~17時(入館は16時30分まで) ㊡月曜(月曜が祝日の場合は翌日)、展示替期間 観覧料:コレクション・ギャラリー430円、企画展は各展覧会によって異なる。

●cade de 505 京都国立近代美術館1階 ☎︎075・771・5086 営業は美術館の開館時間に準ずる。絹ごし豆富の明太子カルボナーラ季節の野菜添え1,150円、あさりだしトマトパスタ1,250円、鴨川(みつ豆と十勝小豆)420円。

琵琶湖疏水の流れに身を委ねるかのようなゆったりした気持ちになれる。
京野菜とオリーブのあさりだしト マトパスタ。パスタには季節の京 野菜が使われているのも特徴だ。

cenci

隠れ家のような雰囲気を想像して扉を開けると、思いもよらない広がりのある空間に気分が上がる。

「同世代の料理人よりも独立が5年遅かった分、店の空間づくりにも心が配れるようになりました」シェフの坂本健さんは、京都のイタリア料理の名店出身。

その料理は鮮烈だ。伝助穴子に黒イチジク。そこにからすみを散らした秋の一皿。口に入れると、まず、イチジクの甘みがせり出し、適度に残る脂にからすみの塩気をまとった穴子の香りが立ち上がる。

「洋食の勝負どころは、食べた時の楽しさにあると思います」なぜ、坂本さんは自分の料理を「洋食」と呼ぶのか。一皿一皿を楽しむうちに答えが見つかるはずだ。

●京都市左京区聖護院円頓美町44・7 ☎︎075・708・5307賚12時~13時30分(LO)、18時~20時(LO) ㊡月曜、不定で日曜昼のコース5,000円、1万円(前日までに予約)、夜のコース1万円。

鉄と木の組み合わせが印象的な柱が支える高低差のついた店内。
身の厚い伝助穴子を黒イチジクと組み合わせて。

『クロワッサン』935号より

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