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◯×検定でまず調べてみよう、美肌を支える基礎知識。

美肌を実現するには、肌に対する正しい知識から。誤った習慣から最新ケアまで、あなたの常識を総点検!

撮影・内田紘倫、谷 尚樹(関東さん)、大嶋千尋(植村さん) ヘア&メイク・高松由香 スタイリング・佐野友美 文・黒澤 彩 モデル・樹神

左・美容コメンテーター 植村朗子さん 右・東邦大学医療センター 大森病院皮膚科 臨床教授 関東裕美さん
左・美容コメンテーター 植村朗子さん 右・東邦大学医療センター 大森病院皮膚科 臨床教授 関東裕美さん

【汚れ落とし編】しっかり落としたいけれど、洗いすぎは肌によくないって本当?

シルクパジャマトップス1万8000円(プライベート・スプーンズ・クラブ/プライベート・スプーンズ・クラブ 代官山本店 TEL:03-6452-5917)
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若い時からおなじ洗顔料を使っている

×ニキビに悩んでいた時代とは肌が違います!(関東さん)

「健康な肌は、油分と水分の絶妙なバリア膜で守られています。そのバリア膜を壊してしまう行為の代表が、“擦る”ことと“洗う”こと。10代の頃のように洗浄力の高い洗顔料で、ゴシゴシ洗い続けていると、バリア膜はすぐに壊れてしまいます」
と話すのは東邦大学医療センター大森病院の関東裕美さん。

日本の女性は清潔好きなので、とかく洗いすぎになりがち。つっぱるような感覚がないと洗った気がしないという人は、つっぱること自体がすでにバリア膜がなくなっている状態と考えよう。
「肌にもともとある常在菌も破壊されて、ばい菌が繁殖しやすくなっています。自分の肌状態を常に意識することが大切です。肌トラブルを抱える患者さんのなかには、洗顔を見直すことで、皮膚の症状が軽くなる人もたくさんいます。自分の年齢や皮膚状態に合った低刺激の石鹼で、やさしく洗うようにしましょう」

クレンジングは量をたっぷり使う

◯たっぷり使うことで、擦らずに落とせます。(植村さん)

クレンジング剤は肌への刺激が強そうなイメージがあるから、なるべく少量で洗ったほうがいい気もするが?
「私自身は、クレンジングをたっぷり使って、できるだけ手早くさっと落とすようにしています」
とは美容コメンテーターの植村朗子さん。植村さんによれば、肌への刺激には成分と摩擦の2つが考えられる。成分による刺激の少ないクレンジング剤を選んだとしても、その使い方によっては、余計な摩擦を生んでしまうことがある。
「少量のクレンジングだと、どうしてもゴシゴシ擦ったり、肌を引っ張るような洗い方になってしまうからです。オイル、ジェル、クリームなど、どんなタイプのクレンジング剤にも言えることなので、ケチらずに使って、肌の負担を減らしましょう」

肌によくないので、できれば水道水は 避けたい

×日本の水道水は軟水。肌への刺激も穏やかです。(植村さん)

飲料水としてミネラルウォーターを買う人も多い昨今。では、毎日肌を洗うのに水道水はどうなのだろう?
「水道水に含まれるカルキ(塩素系成分)が肌によくないという人もいますが、洗顔時などに刺激になるほどではないでしょう。日本の水道水は軟水なので、むしろ肌にやさしいのです」(植村さん)
いつになく水道水を刺激と感じるなら、肌が敏感に傾いているのかもしれない。
「ただし海外、特にアジアでは衛生面の問題もあり、ふきとりクレンジングにすることも。ヨーロッパはたいてい硬水で、肌が少しつっぱるような感覚もありますが、だからといって硬水はすべてよくないというわけでもない。海外の天然水などを使った基礎化粧品もあるくらいですから。肌状態と相談しながらつきあいましょう」

お湯かぬるま湯でないと、肌の汚れは落ちない

×水でもOK。むしろ熱すぎるお湯には注意!(関東さん、植村さん)

「洗顔はぬるま湯で」というのが定説になっている。ただそれは、水だとメイクや汚れを落としきれないということではなく、むしろ熱めのお湯で洗うことがNGという意味合いと考えるのが正解。
「温度の高いお湯は、肌に本来必要な皮脂まで奪ってしまう。バリア膜がなくなり、乾燥の原因になります」(関東さん)
大人の肌は、若いときほど油分が多くないので皮脂を落とすことよりも守る意識が大切。では、どのくらいが適温かというと、お風呂のついでにシャワーで、などというのは洗顔には熱すぎる温度と心得よう。植村さんも、肌の乾燥を防ぐため、お湯の温度には気をつけている。
「ぬるま湯で洗っているつもりでも、まだ温度が高すぎるかもしれません。私は、“ぬるま水”と呼んでいるのですが、冷水ではなく、ほんの少しぬるく感じる30℃くらいで洗うようにしています。もちろん洗顔の最後にだけ、冷水で引き締めるのもいいですね」(植村さん)

脂性肌より乾燥肌のほうがばい菌が繁殖しやすい

◯乾燥肌は、肌がアルカリ性に傾いた状態なので刺激に弱い。(関東さん)

「ばい菌の繁殖しやすさは、肌のpH値と関係があります」と関東さん。
人間の肌は、健康な状態であればpH値が弱酸性(4.5〜6.0)だが、皮脂分泌が多く脂性肌であるほど酸性(〜4.5)になり、乾燥肌であるほどアルカリ性(6.0〜)に傾いてくる。
「肌のpH値がアルカリ性に傾く=乾燥していると、ばい菌が繁殖しやすくなります。肌質でいえば、脂性肌よりも乾燥肌の人のほうが刺激に弱く、バリア膜が失われやすいというわけです」

また、肌質だけではなく季節や気温などの要因でもpH値は変動する。意外かもしれないが、湿度の高い夏よりも、乾燥する冬のほうが肌のばい菌が繁殖する。
「夏は皮脂が分泌されやすい季節なので、むしろバリア膜の機能が守られやすいといえます」

問題は秋から冬。乾燥肌ではない人も、この季節は要注意だ。そしてやはり「洗いすぎは厳禁」だという。刺激に弱い乾燥肌の人は、洗いすぎることでますますバリア機能が弱くなり、肌トラブルが起きやすくなってしまう。季節によって、また肌状態に合わせて洗顔を見直してみよう。

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