「目標は3カ月6キロ減ですね?」
診察室で淡々とした口調で聞かれた。欲の皮がはった私はとっさに言う。
「あ、やっぱり7キロにしてもらっていいですか?」
そのときの医師と看護師のあっけにとられた顔が忘れられない。麻布医院・髙橋弘院長の本格的ダイエット指導が始まったときの最初の会話である。
「健診で引っかかって、あなたはメタボだから、このままだと死に至る病気を誘引するリスクが高まる、痩せなさいと言われて、その病院の食事指導を守るだけで3カ月で7キロ痩せた」という知人男性の一言が受診のきっかけだった。運動嫌いの彼はその後、ジョギングが趣味となり、リバウンドもしていないという。
そんな魔法のように痩せられる病院があるのか? 調べてみたら、麻布医院のホームページに「ダイエット外来」という聞きなれない診療科名を発見した。いったいどんな診察をするのだろう。私でも受けられるのだろうか。
さっそく電話をすると、すんなり予約が取れ、初回は血液検査をするので来院日の朝の食事を抜くように、という。ダイエットなのに血液検査もするのか、もっと簡単かと思ったのに面倒くさそうだなと思ったのだが……。
通院丸2カ月が過ぎた今の率直な感想は、こんな簡単でいいのか?である。
通院を重ねてわかったのは、ダイエット外来とは、一時的に体重を落とすのではなく、適正な健康体をつくるために、一生の生活習慣を変える指導を受けられるところである。簡単でなければ続かないのである。