〈暮らしにとけ込む、骨董と古道具。vol.4〉骨董をどう生活で使うか──「ぴったりなのを思いつくとすごく楽しくなります」
取材&撮影&文・二階堂千鶴子 撮影・大橋利枝子
「私、これは何に使うのですか?とすぐ骨董屋さんに聞くタイプのお客です」と笑いながら、大橋利枝子さんは言う。この連載のvol.1でこれ何に使うのですか?とお客様に聞かれて、飾るだけではダメですかと私が当惑する話を書いたのだけれど、それを読んだとのこと。
大橋さんはデザイナーになる前はファッションだけではなくインテリアや雑貨のスタイリストとして活躍。若い頃からパリのクリニャンクールやヴァンヴの骨董市でフランスの古いものに親しんだ。そのうち、日本や韓国、中国の古いものも気になって、東京の東郷神社や富岡八幡宮の骨董市、京都の平安蚤の市、東寺弘法市に通うようになった。
「気になった物でも使い方がわからないものは買いません」
コレクターではないので、高価なものより手頃なものがいい。オブジェとして飾るのではなく、現実的に活かせるものでないと買う気にならないという。だから、骨董屋さんにはどう使うのか聞いて、これは自分の暮らしの中で何に向いているのか、どう活かせるのかを考えてから判断する。
「自分の生活に合った使い方を思いついて、試してみてぴったりきたらすごく楽しくなりますね」
それこそ、暮らしにとけ込む骨董。その嬉しさ、にんまりする感じ、よくわかります。
古い道具や器はその時代の暮らしに合わせて作られているから、今の生活では本来の用途では使いにくい。たとえば、江戸時代の磁器は、長皿、向付、猪口など当時の料理に合わせた形や大きさで、今の食生活や普段のおかずではうまく使いこなせないことが多い。出番が少ないと思うと、買うのをためらってしまいます。
古いものを今の暮らしに合わせるには、ちょっとした工夫や遊び心が必要です。骨董用語でよく使われるのが「見立て」という言葉。他のものを本物になぞらえるという意味です。大橋利枝子さんのように料理に使う白磁の八角向付でコーヒーを飲むというのも一つの見立てではないでしょうか。古いものが今の暮らしの中でうまく使えるか、見立てられるか、ピタリとハマったらこれはたまらない喜びです。むずかしそうでもこれがまた面白いのです。
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