災害時の不安やストレスを減らしたい。女性だからこその備えとは
撮影・北尾 渉 イラストレーション・おざわさよこ 文・兵藤育子
体の作りの違いからくる備えがどうしても必要に
日々の暮らしにおいて、誰にとっても必要なものと、人によって必要なものがあるのは、非常時でも平常時でも変わらない。性別という大きな括りで考えても、必要となるものに違いがあるのは明らかだ。
「月経や妊娠・出産というライフイベントがある女性は、それだけで必要とするものが多いといえます。支援物資として生理用ナプキンを配布するときは、女性から女性の手へ渡るよう配慮したり、女性ならではの困りごとを相談しやすいよう、避難所運営に女性スタッフを配置するなど、女性目線での防災対策の重要性は10年以上前から言われてきました。近年は多様性の観点も加わり、それぞれのニーズに応じたより細やかな対応が防災にも求められています」(防災アドバイザー・岡本裕紀子さん)
女性は一般的に男性よりも筋力が弱いぶん、備えを手厚くする必要があるという面も。まずは大前提を踏まえて、どう備えるべきか考えていくことが第一歩といえる。
特に更年期前後の女性が用意しておきたいものとは
性別のほかに、備えで大きな違いが出てきやすいのが、年齢。
「体力の低下が心配なら、そのぶん備えを手厚くしておきたいですし、持病のある人は日頃持ち歩いているカバンや非常用持ち出し袋に、常備薬を入れておきましょう。老眼鏡を日常的に使っている人は、緊急時に大事な情報を取りこぼさないよう、スペアを用意しておきたいところです」
また更年期前後の女性は、心身ともにさまざまな不調が現れやすいのも、備えにおいて忘れてはいけないポイント。
「ホットフラッシュが出やすい人は、脱ぎ着しやすい服を準備しておくとよいでしょう。慢性的な冷えに悩まされている人は、使い捨てカイロやブランケット、レッグウォーマーなど、停電することを前提に電気を必要としないアイテムの用意を」
使い慣れていないと、非常時には役立てにくい。普段から使っている心地のよいものが、いざというときの安心にも!
自分なりの繊細なニーズは自分で用意しておく
性別や世代ならではの備えを把握しておくのと同時に、「自分にとって本当に必要なものは何か」という視点を持って選択することが、実際に役立つ防災対策に。
「私は歯みがきが大好きで、何か食べたあとは必ず歯みがきをする習慣があります。もし災害時に歯みがきができなくなってしまったら、ストレスになることは容易に想像できるので、少ない水でもみがく方法を学んだり、マウスウォッシュなど口腔ケア用品の備えを充実させています。生活習慣やストレスを感じるポイントは人によって違うので、最終的には自分なりにカスタマイズして備える姿勢が大切になってきます」
生理用ナプキンのように、女性全般に必要とされるようなアイテムでも、使いやすいメーカー、サイズなどは人それぞれ。自分の繊細なニーズを満たせるのは、あくまでも自分自身。生活習慣を振り返って、使い慣れているもの、あると心が落ち着くものを把握するところから始めてみよう。
『クロワッサン』1172号より
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