暮らしに役立つ、知恵がある。

 

知的家事プロデューサー・本間朝子さんのゴミの始末がラクになるアイデアと工夫。

毎日生活している限り出てしまうゴミ。エコも気になるし、どう対処すればストレスなく付き合えるのか? その方法を探りました。

撮影・土佐麻理子 構成&文・小沢緑子

「エコと聞くと『やらなくちゃ』と使命感を感じる人も多いと思いますが、いきなり頑張りすぎるとできなかったときに罪悪感を感じたり、ストレスになることが。環境のことを考えると、ゴミを減らすように意識するのは当然ですが、一過性ではなく、“細く長く続けていく”ことのほうが大事。『エコ』と『自分が快適に続けられること』がちょうど折り合う部分を見つけて、ムリなく毎日の生活に取り入れていくほうが長続きします」と、知的家事プロデューサーの本間朝子さん。

ストレスなくゴミを減らしながら、ゴミの扱いや処理がラクになるアイデアと工夫を紹介してもらった。

本間さん宅のゴミ箱の工夫。上・キッチンのゴミ箱の縁はマスキングテープでカバーし、汚れたら貼り直す。下・洗面所のゴミ箱はフックで浮かして掃除しやすく。
本間さん宅のゴミ箱の工夫。上・キッチンのゴミ箱の縁はマスキングテープでカバーし、汚れたら貼り直す。下・洗面所のゴミ箱はフックで浮かして掃除しやすく。

生ゴミのニオイを抑える。

生ゴミ臭対策のマイルールは、水気を断って、密閉、冷凍。

「菌を繁殖させる水気を断つことが一番。野菜は洗う前に皮を剥き、ニオイを通しにくい袋へ。収集日まで冷凍庫に入れておくなど、集積場でも臭わせないためのマイルールです」

右・野菜を洗わずに皮を剥けば、そのぶん生ゴミの水気が少なくなる。左上・生ゴミの袋は、ニオイを通しにくい素材を使った食パンなどの食品袋を再利用。左下・防臭対策で冷凍する方法も。
右・野菜を洗わずに皮を剥けば、そのぶん生ゴミの水気が少なくなる。左上・生ゴミの袋は、ニオイを通しにくい素材を使った食パンなどの食品袋を再利用。左下・防臭対策で冷凍する方法も。

小さなゴミストレスを減らす。

リサイクル時の名もなき家事をスムーズに済ませる方法。

「ペットボトルをゆすいで乾かす作業は、名もなき家事のひとつ。大きめの洗濯バサミで口を挟むと転がらず安定します。牛乳パックは糊付け部分を手で裂けばラクに平らに」

右・牛乳パックはハサミで切らなくても糊付け部分なら手で裂ける。左・逆さにすると転がりやすいペットボトルのストレスはこれで解決。
右・牛乳パックはハサミで切らなくても糊付け部分なら手で裂ける。左・逆さにすると転がりやすいペットボトルのストレスはこれで解決。

ラップゴミを減らす。

増えがちなラップゴミは、あるもので代用。

「食品の保存時に、ラップは新しいものを使わないようにしています。肉はトレーだけ外して元のラップ包装で包んだり、冷蔵庫の作り置きの蓋は100均のシリコン蓋やお皿で代用」

上から順に、食品トレー入りの肉を冷凍するときは、トレーごとひっくり返してラップ包装を開ける。「その後、トレーだけ外せば、元のラップにきれいに包み直せます。ゴミも増えず、消費期限もわかるので一石二鳥」
上から順に、食品トレー入りの肉を冷凍するときは、トレーごとひっくり返してラップ包装を開ける。「その後、トレーだけ外せば、元のラップにきれいに包み直せます。ゴミも増えず、消費期限もわかるので一石二鳥」
知的家事プロデューサー・本間朝子さんのゴミの始末がラクになるアイデアと工夫。

冷蔵庫の作り置きの蓋は、シリコン蓋や皿で代用。

プラゴミをコンパクトに。

食品トレーはハサミで半分に切るのが習慣。

場所をとりがちな食品トレーは、「ハサミで半分に切り、小さくして分別。ハサミはプラゴミ置き場の近くに一緒に置けば、捨てるついでに切れるので面倒ではないですよ」。

上・プラスチック製容器を分別するゴミ箱の近くに、ハサミもセットした「プラゴミコーナー」。中・食品トレーなどのプラゴミが出たら、すぐにハサミで半分に切る。下・重ねてコンパクトにすればゴミ箱にスリムに収まる。
上・プラスチック製容器を分別するゴミ箱の近くに、ハサミもセットした「プラゴミコーナー」。中・食品トレーなどのプラゴミが出たら、すぐにハサミで半分に切る。下・重ねてコンパクトにすればゴミ箱にスリムに収まる。
知的家事プロデューサー・本間朝子さんのゴミの始末がラクになるアイデアと工夫。

卵パックは雑巾絞りの要領で小さく。踏みつぶしても。

ダンボールの保管。

ダンボールポケットを作り、回収日までスッキリ。

「ダンボール箱はダンボールポケット(下写真参照)を作り、その中に他のダンボールも差しておけばバラバラにならず邪魔になりません。集積所に出すときも運びやすいです」

右・ダンボール箱の底の部分をガムテープで留める。左・その中に差し込めばコンパクトにまとまる。
右・ダンボール箱の底の部分をガムテープで留める。左・その中に差し込めばコンパクトにまとまる。

資源ゴミの置き場所。

置き場所に困ったらデッドスペースを有効活用。

「資源ゴミの置き場所は困っている人も多いです。キッチン下の浅めの引き出しが、土鍋などあまり使わないものの物置きになっていたら、資源ゴミの置き場所に有効利用を」

デッドスペースを利用。そのぶんキッチンが広々と。
デッドスペースを利用。そのぶんキッチンが広々と。
  • 本間朝子

    本間朝子 さん (ほんま・あさこ)

    知的家事プロデューサー

    時間とムダな労力を省く家事メソッド「知的家事」を考案。TVや雑誌で時短家事のアドバイスも。著書は『60歳からの疲れない家事』など。

『クロワッサン』1125号より

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