栄養士が提案、塩控えめでもおいしい4つの高血圧対策レシピ。
撮影・三東サイ 文・長谷川未緒 料理製作・下條絵美
高血圧に、減塩はマスト。塩控えめでもおいしい料理の工夫を。
高血圧の重症化を予防するためには、塩分摂取量は1日6g未満が目標。種類によって重さが異なるが、精製塩なら小さじ1杯程度だ。
「出来合いのものは塩分が高めなので避けましょう。減塩調理の3大ポイントは、〈だしや食材の旨みを活かす〉〈お酢や柑橘の酸味を活用する〉〈スパイスやハーブ、香味野菜などを使う〉こと」と栄養士の下條絵美さん。
主食は塩分ゼロのごはんを基本としながら、主菜以外の副菜や汁物は薄味にするなどメリハリをつけた献立にすると、満足感が高く、続けやすくなるという。簡単に作れる高血圧対策レシピを教えてもらったので、ぜひお試しを。
減塩対策のポイント
●だしの旨みを生かす。
●酢や柑橘などの酸味を生かす。
●スパイスの香りを生かす。
黒酢とカリウムたっぷりの野菜で血管ケア。
カリウムが豊富なれんこんとかぼちゃを香りよいオリーブオイルで焼き、高めの血圧を下げる効果がある黒酢で味つけ。黒胡椒のスパイシーさも加わり、塩分を加えずとも野菜本来の甘み、旨みを味わえる。野菜は栄養価の高い旬のものの中から、かみごたえがしっかりあるものを選ぶと満足感が高い。
れんこんとかぼちゃの黒酢ソテー
【材料(2人分)】
れんこん 90g
かぼちゃ 120g
黒酢 大さじ1と1/2
オリーブオイル 大さじ1
粗挽き黒胡椒 適宜
【作り方】
1.れんこんは皮をむき、かぼちゃは種とわたを取り、それぞれ7mm厚さの食べやすい大きさに切る。
2.フライパンにオリーブオイルを入れ、れんこん、かぼちゃを並べて火にかける。弱めの中火で2~3分焼き、裏返して1〜2分焼く。黒酢をまわしかけ全体にからめる。好みで粗挽き黒胡椒をふる。
だしの旨みと生姜の香りで塩分少なめに!
忙しい朝におすすめの、材料をお椀に入れて湯を注ぐだけの簡単汁物。塩分は一般的な味噌汁(1杯約1.2g)の半分以下の0.5gだが、かつおだしが効いているので、物足りなさはない。もずくに含まれるフコイダンは余分なナトリウムやコレステロールを排出する効果があり、生姜の香りもいいアクセントになっている。
もずくのかつお節汁
【材料(1人分)】
かつお節1袋(4.5g)
もずく 40g
醤油 小さじ1/2
生姜の千切り 少々
【作り方】
かつお節、もずく、醤油を椀に入れ、湯120mlを注ぐ。生姜をちらす。
スパイスは減塩料理のよきパートナー。
エネルギー量と脂質の低い鶏ひき肉を、カリウムが豊富なトマトで煮込んだチリコンカン。良質なタンパク質と食物繊維が豊富なミックスビーンズは、歯応えがあるので満腹感が得られ、糖質も控えめ。クミンパウダー、チリパウダーは、減塩のほか高血圧予防も期待できる。レタスで包んで食べるのもおすすめだ。
鶏ひき肉のチリコンカン
【材料(2〜3人分)】
鶏ひき肉 150g
玉ねぎ 1/2個(100g)
にんにく 1/2かけ
ミックスビーンズ 120g
カットトマト 200g
オリーブオイル 大さじ1
塩 小さじ1/2
クミンパウダー 小さじ1/2
チリパウダー 小さじ1
【作り方】
1.玉ねぎとにんにくをみじん切りにする。
2.鍋にオリーブオイル、1を入れて中火で炒める。全体がしんなりとしたら鶏ひき肉を加え、色が変わるまで炒める。
3.クミンパウダーとチリパウダーを加えて炒め、ミックスビーンズ、カットトマト、塩を加えて煮立ったら弱火にし、15分ほど煮込む。
主食から糖質をカットして、血糖値を抑える。
糖質制限は、高血圧予防にも有効。血糖値の急激な上昇や、交感神経の過剰な優位状態を抑える効果があるからだ。種類豊富な糖質オフ麺から好みのものを見つけて活用するとよい。食物繊維が豊富な納豆と旨みのあるツナ、カリウムを多く含む大根に香りのよい大葉を合わせた納豆パスタは手軽なひと皿だ。
糖質ゼロ麺の和風納豆パスタ
【材料(1人分)】
糖質ゼロ麺 1袋(180g)
ひきわり納豆 1パック(40g)
大根 50g
大葉 3~4枚
ツナ缶 1/2缶(35g)
めんつゆ(2倍濃縮タイプ)大さじ1
酢 大さじ1/2
砂糖 小さじ1/2
【作り方】
1.めんつゆ、酢、砂糖、水大さじ1を混ぜ合わせる。大根はおろす。大葉は千切りにする。
2.糖質ゼロ麺の水気をしっかり切り、器に盛る。
3.2に大根、ひきわり納豆、ツナ、大葉をのせ、上から1のつゆをかける。
『クロワッサン』1104号より