タオル一枚で簡単に美肌になれる！自宅でできる、蒸しタオル美容法。

日頃、女性たちの肌悩みに応えている美容皮膚科医の宇井千穂さんが「手軽かつ効果的なケア」として推奨するのが、蒸しタオル美容法。なぜきれいになれるのか、その理由をモデルの樹神さんが教わった。

樹神さん（以下、樹神）　実は私も蒸しタオルで温め美容をしています。レンジで温めたタオルを2つ折りにして顔にのせるだけなのですが……。この方法で合っていますか?

宇井千穂さん（以下、宇井）　温かさが1分以上持続すれば、その方法でも大丈夫ですよ。樹神さんはどんな時に蒸しタオルをされることが多いですか?

樹神　冬場の寒い時や撮影の前日ですね。肌がパッと明るくなって即効性を感じています。

宇井　肌を温めることで血液やリンパの流れがよくなり、くすみが取れて健康的な血色になるんですね。肌には太い血管がないので、普通にしているだけではなかなか血流は上がりませんが、蒸しタオルなら効率よく血行改善ができる。これが大きな利点です。

樹神　たしかに滞りが流れて内側から整う感じ。この自然なアプローチがすごくいい。経済的だし、美容家電よりタオル派です（笑）。

宇井　まさに樹神さんのおっしゃるとおり、自分が本来持つ力で自然に肌を底上げできるのが蒸しタオルだと思います。タオルの熱で毛細血管が広がることによって血液中の酸素や栄養素が肌に行き渡り、新陳代謝が促されてターンオーバーを活性化してくれますし、温まって毛穴が開くので、皮脂や角質などの汚れを無理なく落とすこともできます。

樹神　スゴイ!　いいことずくめですね。

宇井　ひとつ守ってほしいのは、蒸しタオルをしたらすぐに保湿すること。顔を温めたあとは水分が蒸散して乾燥しやすいのです。蒸しタオルの前にもたっぷり保湿をすると、肌にのせたスキンケア成分がスチーム効果で浸透されやすくなるのでおすすめです。

樹神　シートマスクの上から蒸しタオルをのせたりしても、美容効果はあるのでしょうか。

宇井　蒸散しやすいマスクの美容成分がしっかり肌に定着するので、とてもいいと思います。その後の保湿も忘れずにしてくださいね。

樹神　先生は保湿の際にも肌にできるだけ触れないほうがいいという考え方なのですよね。

宇井　温めてせっかく土台を整えても、肌を刺激してしまったら台無しです。摩擦は肌のトラブルを引き起こします。一番いいのは、肌への接触を極力減らすこと。できれば、クリームも何本かの指でのばすより、1本の指でつけるほうが力が入らなくていいですよ。

樹神　手で肌を触るのはスキンケアの基本だと思っていたから驚きです。先生は蒸しタオルはどれくらいの頻度でされていますか?

宇井　私は蒸しタオルは週1回行っていて、その頻度を推奨しています。入浴前に蒸しタオルをして洗顔し、入浴後に保湿をして蒸しタオルをすると、毛穴掃除とパック効果のスペシャルケアになりますよ。

樹神　毎日は避けたほうがいいんですね。

宇井　蒸しタオルは先ほども言ったように水分の蒸散に注意すべきです。頻度が多いと肌が乾燥に傾いたり、負担になりやすいんです。

樹神　これまでも効果があるのは感じていましたが、先生のお話を聞いてすごく腑に落ちました。やっぱり蒸しタオルはすごいですね。

宇井　本当にタオルひとつでエステ並みのパワーがあると思います。しかもお金がほとんどかからない。ぜひ樹神さんも続けて美肌をキープしてくださいね。

〈蒸しタオルの作り方〉

2.洗面器に約45度のお湯を入れてタオルを浸し、お湯が垂れない程度にゆるめに絞る。

※電子レンジを使う場合は、タオルを水で濡らしてゆるめに絞り、500～600Wで30秒～1分温める。タオルを軽く叩いて余分な蒸気の熱を飛ばし、体温よりやや高いくらいの温度にする。

メイクを落とし、化粧水やクリームで保湿。鏡を見ながら、皮膚を摩擦しないよう人差し指だけを使ってそっと塗る。

温めたタオルの中央をあごに置き、写真のように顔を包む。そのまま2～3分おき途中で冷めたら再度温めてもOK。

タオルを取り、すぐに化粧水とクリームなどで保湿する。なるべく皮膚を動かさずに、手の平でそっと包むように。

首に蒸しタオルをかけ、耳の後ろにタオルの両端を押さえるようにあてる。耳の後ろのツボ・完骨や内耳が温まり、リンパの流れがよくなる。

首に蒸しタオルをかけ、首の後ろと鎖骨、デコルテを温める。首や肩のこわばりがゆるみ、血流がよくなることで凝りがやわらぐ。