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64歳でインテリアコーディネーターの資格を取得、好きを仕事にした増田牧子さんの物語。

子育てや介護、家族のミッションが落ち着く年齢こそ、自分の好きなことで仕事をする始めどき。
アラウンド60歳で生きがいと収入を得はじめた増田牧子さんの物語。

撮影・黒川ひろみ 文・一澤ひらり

好きなことを学び直すのに、年齢は関係ありません。

東京・代官山のCUCINAショールーム<a href="https://cucinastyle.jp">(https://cucinastyle.jp)</a>でワークトップの面材を調べる増田さん。「わが家のキッチンもここで揃えました。大好きな場所」。
東京・代官山のCUCINAショールーム(https://cucinastyle.jp)でワークトップの面材を調べる増田さん。「わが家のキッチンもここで揃えました。大好きな場所」。

MY STORY

●結婚してすぐ
高倍率のマンションに当たり、インテリアに凝る。

●子育て期
パートタイムの事務職の合間に、趣味で短期のインテリア講座に通う。

●子育て後
独立した娘に「お母さんの好きなことは何?」と問われる。

●63歳
インテリアスクールに通い始め、実技をメインに学ぶ。

●64歳
インテリアコーディネーターの資格を取るための学校に入学。

●65歳
64歳で試験合格。インテリアアドバイザーの仕事を始める。

64歳でインテリアコーディネーター資格試験合格を果たした増田牧子さん。
「若い頃からの夢でしたが、60代にもなると、さすがに年齢的にもう無理だとあきらめていました」

増田さんのインテリアコーディネーター証。努力の証し!
増田さんのインテリアコーディネーター証。努力の証し!

が、背中を押したのはひとり娘。自分が独立して家を出た後、無気力になってしまった母親に、何かしたいことはないの? と問いかけた。

「自分を見つめ直して気づいたのはインテリアでした。思い切って63歳でインテリアスクールに入学したんです」

図面を引いたり、パースを描くときに使っていたT定規など道具一式。
図面を引いたり、パースを描くときに使っていたT定規など道具一式。

「今さら始めても」とあきらめず、大事なのは「今から」の意欲。

しかし、学んだのが実技重視のスクールだったため、製図やパースなどの課題に追われ、徹夜も初めて経験。卒業後はインテリアコーディネーターの資格を取るための学校に入学した。

「20年近く続けていた事務のパートも辞めて、毎日5時間は勉強したでしょうか。大変でしたけど、好きなことだからできたし、自信にもなりました」

資格試験対策のためのテキストや過去問題集。「過去問は繰り返しやりました。どの分野も興味があることでしたので楽しく学習できて、充実した時間でした」。
資格試験対策のためのテキストや過去問題集。「過去問は繰り返しやりました。どの分野も興味があることでしたので楽しく学習できて、充実した時間でした」。

努力が実り、合格率24.5%(2022年度)の難関を突破して資格を取得。さらにインテリア関連の派遣会社に登録し、今年5月から仕事も始めた。

「シニア向けの住宅など、人生経験を重ねてきた私だからこそ、お役に立てることはたくさんあると思います。今さら始めても遅すぎるとあきらめずに、今から始めてみる。何事にも遅すぎることはないと身をもって知りました」

「受験対策校では1単元40ページも進むスパルタ式で復習が大変でした」。書き込みがびっしり。
「受験対策校では1単元40ページも進むスパルタ式で復習が大変でした」。書き込みがびっしり。
  • 増田牧子

    増田牧子 さん (ますだ・まきこ)

    インテリアコーディネーター

    短大卒業後、事務職のキャリアを重ねる。27歳で結婚し、出産を機に専業主婦に。40代半ばから事務職に復職。今年、インテリアコーディネーターの資格を取得。

『クロワッサン』1096号より

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