「寝姿勢」を良くして腰への圧迫を減らす、睡眠健康指導士が教える布団の選び方。
撮影・黒川ひろみ 文・松本あかね
「寝姿勢」を良くして、 腰への圧迫を減らす。
【替えどきチェックポイント】
●布団の場合
□ 横になったときに床の存在(底つき感)を感じる。
□ 起きたときに不快感、圧迫感がある。
●マットレスの場合
□ 不快な揺れ、ギシギシ音がする。
●布団・マットレス共通
□ 触ってみて、場所ごとに感触が違う。
□ 何かが当たる感触がある。
「合わない布団やマットレスは腰痛の原因に。逆にいうと、正しいものを選べば改善することも多いです」と睡眠健康指導士の加賀照虎さん。
寝具が柔らかすぎると腰が落ち込み、硬すぎれば肩や腰を圧迫する。経年劣化したものを使い続けても同じこと。
「悪い寝姿勢で6、7時間も過ごせば当然腰には負担。良い寝姿勢とは立ち姿からそのまま仰向けになった状態ですが、これを保つには体の凹凸にフィットして全身をサポートする『体圧分散性』に優れたものを選ぶといいです」。
チェックポイントは「過度な沈み込み、圧迫感がないか」。次に「寝返りのしやすさ」。自然な寝返りを妨げない適度な弾力も必要になる。
「一般的に厚みがあると底つき感(床にあたる感覚)がなく、硬さも中程度のものがサポート性が高いとされます。トライアル期間のあるオンライン店舗も多いので、積極的に利用してみてください」
【加賀さんのおすすめ敷き布団】
5層クッション敷きふとん (たっぷりボリューム)
「中材に固綿を入れて底つきを防ぎ、表面は約1kgの羊毛を使いクッション性を高めています」(加賀さん)。使っているうちに硬くなる綿布団の課題を解消。側生地は綿100%で肌触りもいい。
□ 底つき感が気になる人に。
□ 硬めの布団が好きな人に。
ラークオール
「キャメル、ヤク、ホースといった獣毛とポリエステル繊維を重ねた敷き布団のようなマットレス。ふわっと反発の少ない寝心地が好きな人におすすめ」。ベッドにも使用できる。
□ マットレス型の敷き布団。
□ ふわっと感が好きな人に。
【トッパー】ボディドクター ドクターパッド
「マットレスのヘタリに役立つドイツの公的認証機関で評価された天然ラテックスフォーム。マットレスの上に敷いて使用します」。加圧した力と同じ力で反発する「正反発(R)」で体重を分散。
□ ベッドの硬さが気になる人に。
□ マットレスを買い替えず改善。
【加賀さんのおすすめベッドマットレス】
快眠タイムズ マットレス
創業65年の寝具メーカーが「最高の寝心地」を追求して開発。「硬さや反発弾性の異なるウレタンフォームを3層重ね、柔らかな寝心地と全身を支えるサポート性を兼ね備えています」。
□ 腰・肩の圧迫感を軽減。
□ 柔らかめの寝心地が好きな人に。
インテグラ ニューグランデ
「上層の低反発ウレタンフォームと下層のポケットコイル(コイルを一つ一つ袋に収めた構造)の組み合わせ。上層は体をやさしく受け止めつつ、下層の弾力によって寝返りもスムーズに」。
□ 腰の落ち込みが気になる人に。
□ 寝返りを楽に打ちたい人に。
【編集部の口コミ】
ゴールデンバリュー
創立150年の世界的なベッドメーカー、シモンズのベストセラー商品。ポケットコイル構造によって日本人好みのほどよい硬さと定評あり。国内外のホテルでも採用されている。
シルキーシフォン
ハニカム(蜂の巣)状に配列したポケットコイルがどんな寝姿勢も受け止める。ふんわりとしたクッション性と寝返りが楽に打てる弾力性を兼ね備え、朝の寝覚めもすっきり。
rakura マットレス
体の動きに合わせてしなやかに押し返す高反発マットレス。表面の凹凸構造によって体圧が分散され、背中や腰に負担の少ない寝姿勢をキープ。ベッド、畳、フローリングに使える。
[エアー01] マットレス ベーシック
「点」で支える発想で、凹凸構造の約1200個の点が肩、腰に集中しやすい体圧を分散。特に肩部分のクッション性を高め、圧迫感の少ない寝心地に。
3層メディカルパッド
もともとは床ずれ対策に開発されたパッド。約1cmの厚さに「ハニカムメッシュ立体編み」のナイロン柱が3層重なる。腰が沈まずサポート力を実感できる。
『クロワッサン』1086号より