水瓶に使えない理由は、まあ察しのつくかたもおいででしょうが、聞いてのお楽しみ…でもないか。ちょいと汚いお話です。けれどその汚い落語を下品にならないようにおしゃべりするのも芸のうち。
じゃあどうすればいいのかって? それはですね、この噺の最も面白いポイントが下ネタの部分にあるのではないって見抜くこと。
お金がないのに兄貴分に不義理はしたくない、という江戸っ子気質。もちろん美徳ではありますが、度を越せばおかしなことになっちゃいます。そこが一番面白いとわかればしめたもの。あとはちょっとお下劣な部分も〝彩り〞として楽しんでいただけるはずです。
それにしても落語に出てくる絵に描いたような江戸っ子、本当にうらやましいですね。気っ風がよくて、義理堅くて、でも人間くさい弱さが可愛い。
生まれも育ちも東京じゃない私が、演じている間だけは江戸っ子になりきって生きられる…。演者側の落語日和です。