ミネラルの一つで野菜や果物に多く含まれるカリウムには、細胞内のナトリウムの濃度を一定に保つ働きがある。
「血管の細胞内にナトリウムが多いと、濃度を下げるために水分量が増えて細胞がむくんだ状態に。これを解消するためカルシウムがナトリウムと入れ替わり血管壁が硬く厚くなり、血管が狭くなって血圧が上がってしまいます。そうならないように余分なナトリウムの排出を促すのがカリウムの役割です」と牧野直子さん。
もしメインの料理がちょっと塩辛くなってしまったら、副菜にカリウムを多く含む食材を追加してみる。そうでなくても「排塩」のためには、日々必要なカリウム量を満たしていくことが必須だ。
「20代以上の女性なら2600mg以上が目安です。野菜、果物、芋類、きのこ、海藻類に多く含まれていますが、厚生労働省が提唱する野菜類の一日あたりの目標値350g以上、果物を100〜200g食べていれば、必要なカリウムも自然に摂取できる計算です」
料理でいうと、一日5皿の野菜料理を食べていれば、不足することはない。
「カリウムは水に溶ける性質があるため、茹で時間は短めに。茹で湯を使わずに済むレンジ調理もおすすめです。煮汁ごと食べられる煮浸しなら溶けたカリウムも無駄なくいただけます」
カリウム自体、汗で体外に出てしまうため、暑い季節は特に意識を。減塩とともに排塩に取り組んで健康を目指そう。