「新緑の蓼科」×「きれいな色」×「お豆のポタージュ」というお題でいただいた撮影のお仕事でのお話です。
依頼主より「初物のグリーンピースで翡翠色のスープなんかができたらいいな」と言われたのですが、
如何せん新緑の蓼科ではグリーンピースだけでなくお豆はまだ採れません。
そこで保存豆の白インゲン豆で作る「純白」のスープをご提案したのです。
ここぞとばかりに我が家自家製の白インゲン豆を紹介しようと張り切っていた私ですが、いざ作ってみると、
あれ?純白というより象牙色ではないか……。
そもそもが白いんげん豆は白あんに使われる材料であるため本来の色味を生かすとうっすらと黄みを帯びることはわかっていたのですが、いつも私は豆乳で仕上げていたので、これを真っ白な牛乳と生クリームに変えることで純白に仕上げられる!となぜか確信していたのです。
純白という言葉を辞書で引いてみると「あらゆる点において真っ白」とあり、ウェディングドレスや白無垢などの印象からとても神聖なものを感じます。さらには決して裏切ってはいけないという固定観念を持つのは私だけでしょうか?
どうしよう……。
他の白い野菜を混ぜるとか、光の加減で白く見せるとか……という提案という名の逃げ道を用意しつつ
正直に
「お豆だけで純白になりませんでした……ごめんなさい!」
と告げたところ
担当者はあっさりと
「え?!これは純白ですよ!」という回答。
とまぁ、このようなやり取りのあった白インゲン豆のポタージュスープ、純白か象牙色かはさておきお豆の味が濃く、とても美味しいのでぜひ作ってみてくださいね。
ちなみに本番の撮影では白くて味わいも似た長芋を加えてさらに白く仕上げる予定です。