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心地よい生活感を残したいから、物は見せて飾って、どんどん使う。

5年前から閑静な住宅街の戸建てに暮らす森祐子さん。お気に入りの家具や雑貨に囲まれた生活の中で、「物は使いながら飾る」。

撮影・HAL KUZUYA 文・田辺 香

森祐子さんが暮らすのは都内にある約80平米の2階建て。住んで5年になる家の中央には階段があり、その階段が吹き抜けの空間に仕切りと奥行きを演出する。めったに物を捨てないという森さん。2階のダイニングのテーブルや棚、リビングのソファなど、ほとんどの家具は以前住んでいた家で使用していたものを使っている。

「テーブルやソファは17年になります。物を買う時は慎重に。間に合わせでは買わず、自分が心から好きだと思えるものを買います」

森さんにとって収納とは、飾ることとしまうことのバランス。

「好きなものは飾りながらどんどん使います。いろいろなところに大まかな用途だけ決めた一時置き場を作っています。一時的な置き場を増やしていったら、あれこれ探す手間が減ってだいぶ楽になりました」

リビングは好きなものに囲まれていれば無理に片づけなくていい。

2階奥のリビングには小さなテーブルやソファ、背の低い棚が置かれている。7歳の娘の遊び場でもあり、一角におもちゃの陳列棚が。

「遊びかけはしばらく広げたままでもいいことにしています。数日経って、ただの放置だと思ったらしまってもらいますが、広げてある様子が可愛いこともあると。片づいていなくても好きなものに囲まれていれば、さほど気になりません」

娘の収納スペースは本人が自由に使う場所。

心地よい生活感を残したいから、物は見せて飾って、どんどん使う。

娘の陳列棚にはフィギュアや文具、ままごとに使うオーブンなどが並ぶ。持ち手付きバスケットにはぬいぐるみが、右奥のラタン製のカゴには描いた絵や工作が収納されている。

片づけにおける ルールは、細かく決めすぎない。

心地よい生活感を残したいから、物は見せて飾って、どんどん使う。

リビングを背に立つ森さん。「目的にぴったりなものを見つけても、決まりすぎると生活感がなくなるんです。私は具体的な目的を決めずに買います」

【仕事場でもあるキッチン&ダイニングは使いやすい仕様に。】

窓から光が差し込み、明るいキッチン&ダイニング。作業台にも小窓があり、その上の長い棚を便利に活用。よく使うやかんや調理道具はそのまま見せる。洗った食器は竹ザルの上で水切りした後、すぐ片づける習慣でシンクはすっきり。ダイニングには食事をするテーブルがあり、森さんはここで仕事もする。

「娘が学校から帰ってきた時や急な来客があった場合に、使っていたノートパソコンをサッとしまえる一時置き場が欲しくなって。大きなカゴバッグをPC入れとして使うようになりました」

愛らしい道具は棚に置いて並べ、 見せる収納に。

心地よい生活感を残したいから、物は見せて飾って、どんどん使う。

キッチンの壁を横切る長い棚は、もともと備え付けられていた。茶葉が入った缶やコーヒーミル、弁当箱、その隣にオブジェやキャンドル、植物を生けた花器などが飾られている。

仕事の資料は、柳行李や 箱に一時キープ。

心地よい生活感を残したいから、物は見せて飾って、どんどん使う。

下の柳行李には時折使う仕事の書類や、デザインが素敵なハガキなどを。黒い箱には、日々目を通す資料を。
「アパレルブランドなどのきれいな箱は、取っておくと重宝します」

裁縫道具をさまざまなカゴに入れ、棚に収納。

心地よい生活感を残したいから、物は見せて飾って、どんどん使う。

森さんはあらゆるカゴを収納に活用する。布やボタンなど裁縫に使うものもカゴに。「小さなバスケットは、私が幼稚園の時に使ったもので、すっかりボロボロですがまだ使っています」

ガラス戸の棚には、好きな器やオブジェを。

心地よい生活感を残したいから、物は見せて飾って、どんどん使う。

右側のバリ製の茶色い棚にはワイングラスやオブジェを。左側の白いアンティークの薬品棚には器を積み重ねる。「器は個展などで、少しずつ買います」

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