ストレス症状を和らげる、頭のマッサージ術。
現代人を悩ますストレスには、場所を選ばずにできる末端マッサージがおすすめです。イラストレーターの平澤まりこさんが目白鍼灸院 院長の柳本真弓さんに教わります。
撮影・青木和義 ヘア&メイク・高松由佳 文・小沢緑子
ストレスを感じると全身を巡っていたエネルギーが乱れ、熱を帯びたまま頭に滞りがち。
「頭にこもった熱をエネルギーとともに下半身のほうに引き下げ、沈静化させるのが頭のツボです。同じストレスを受けてもイライラする人、落ち込む人など表れる症状が違うため、今回それぞれに対応するツボを紹介しましたが、もっとおおまかにツボの位置にこだわらずに刺激しても。頭の中でもやもやしていたり、重さを感じる部位を揉んだり、軽く叩くだけでも気持ちが安定してきますよ」(柳本さん)
「下に流すとよりいいです。」(柳本さん)
「軽くさするだけでも?」(平澤さん)
イライラする
後頭部をゆっくり気持ちよく伸ばす。
【効くツボ/脳戸、玉枕】
エネルギーが滞りやすいツボ。脳につながる頭と首の境目にあるため、上下左右に伸ばすと頭が軽く気持ちも解放される。
【やり方】
1.後頭部の真ん中の一番高いところにある「脳戸」を前後に伸ばすように、頭を前に倒す。
2.脳戸の左右、指幅2本分くらい外側にある「玉枕」に指をおき、パカッと開くような気持ちで左右に伸ばす。
落ち込む
元気が湧いてくる万能ツボ。
【効くツボ/百会】
全身のエネルギーが集まるツボで、よく揉んで刺激を与えると沈んだ心も落ち着き元気が湧く。手のひらを当てて温めてもいい。
【やり方】
頭のてっぺん、左右の耳を結ぶ線と体の中心線が交わる「百会」に指を当ててよく揉む。
焦る
余裕がないときにこぶしで回し揉み。
【効くツボ/本神】
気持ちに余裕がないときに刺激すると、エネルギーの巡りがよくなり精神的に安定。少しイライラしているときは強めにこする。
【やり方】
額の角から1/3ほど真ん中寄りの、指幅半本分上にある「本神」にこぶしを当て、グルグル回しながら揉む。
眠れない
寝つきがよくなる、耳下をマッサージ。
【効くツボ/安眠】
眠りをよくする特効ツボ。揉むだけでもいいが、下に流すように動かすとリンパの流れが促され、リラックス効果がよりアップ。
【やり方】
耳の裏側の骨の下端からさらに約3cm下側にある「安眠」に指を当て、グルグル回しながら揉む。
緊張する
全身のこわばりが緩んでラクになる。
【効くツボ/顴】
顔のゆがみを整えるときにも使う。ストレスによる緊張で体がガチガチのときに刺激すると表情筋がほぐれ、全身の緊張も緩む。
【やり方】
頰骨の一番高いところの下あたり、くぼんだところにある「顴髎」に手をおき、笑顔を作るように頰の筋肉ごと優しく押し上げる。
不安
軽く叩いて心を落ち着ける。
【効くツボ/神庭】
エネルギー不足で思考がまとまらないときは不安が高まりがち。精神を落ち着かせる「神庭」を軽く優しく叩いて気分転換を。
【やり方】
髪の生え際の真ん中から少し上にある「神庭」を、指の腹でトントンとリズミカルに叩く。
柳本真弓(やなもと・まゆみ)さん●目白鍼灸院 院長。中医学理論に基づいた鍼灸と、リンパドレナージに精通。テレビやラジオ番組などでも活躍。『心が弱ったときのツボストレッチ。』など著書多数。
平澤まりこ(ひらさわ・まりこ)さん●イラストレーター。装画や広告のほか、版画の制作に力を入れる。著書に『旅とデザート、ときどきおやつ』、エッチングで描いた『ミ・ト・ン』(小川糸さんとの共著)など。
『クロワッサン』1020号より
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