腸が汚れる=単なる便秘、ではない。最大の問題は大腸の機能が低下して、腸内環境が乱れること。これが「腸が汚れる」ということだ。
4万人以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸のスペシャリスト、松生恒夫さんによると、「便は本来、栄養が吸収された後の老廃物。それが適切に排泄されないと有害物質やガスが発生して、腸内環境が乱れます。有害物質は尿や汗からも排泄することができますが、約75%は便となって排泄されます。つまり、排便は最大のデトックスなんです」
ところが、40歳以降になると大腸の機能は徐々に衰えていく。40代の大腸の弾力性は20代の頃に比べると70%程度に低下しているという。
「有害物質やガスを便と一緒に出せれればいいのですが、排泄力が低下するとそれがうまくいかなくなる。すると腸壁から体内に吸収されて、最終的に汗や皮脂となって毛穴から排出されます。その結果、皮膚の細胞に負担がかかって肌荒れを起こしたり、汗とともに排出される際に体臭が発生することもあります」
また、腸には免疫細胞やリンパ球が集中しているので、腸内環境が乱れると免疫力の低下を招く。つまり腸が汚れると、感染症やがんなどのリスクも高まってしまうということ。