[鮨處WASABI]小ぶりな見た目も麗しい、品のある熟成鮨。
鮨職人の父に憧れ、自然と父が営む鮨店を手伝うようになっていたという、あだち真緒さん。独立後は奈良の東生駒で現在の前身となる店を開業した。やがて尊敬する銀座の鮨職人の影響で、熟成鮨の魅力に開眼。一口で上品にいただける小ぶりなサイズ感など、父の教えを受け継ぎながらも自らのスタイルで鮨に向き合う、現在の店へと行き着いた。大きなケヤキの一枚板カウンターのほか、県産の吉野杉や桧をふんだんに使った店内は、凜とした雰囲気のなかにも、どこか親しみが感じられる。それはまるで、あだちさん自身がまとう空気そのもの。「鮨を握るのが大好き」と丁寧に仕込まれたネタを握り、腕を振るってくれるその姿を見るのも、この店のごちそうのひとつだ。