くらし

編集者、ライター、一田憲子さんが惚れ込んだ、「おいしい」を生む道具と器。

日々の料理の頼もしい相棒、食卓を演出するのに欠かせないものとは。それぞれのライフスタイルに合った、愛用の道具や器を紹介します。
  • 撮影・徳永 彩 文・嶌 陽子

こつこつ集めたお気に入りが、毎日の食卓で活躍中。

一田憲子(いちだ・のりこ)さん●編集者、ライター

主に暮らしまわりのものや人をテーマに、全国各地を飛び回り取材をしている一田憲子さん。

「仕事柄、いろいろなものに出合うことが多く、つい買ってしまうんです。作り手を取材すると、その人の思いにも触れるのでなおさらですね」

そうやって少しずつ集めてきた器や道具が、古い白い食器棚や台所の棚に並んでいる。

「30代の頃は作家ものの器にこだわって、一生懸命買い集めていました。でも40代になってから、そればかりだと息苦しく感じるようになってきて。『あの作家の作品だから』という理由で買うことはやめて、『うちのおかずに合うかな』という視点で選ぶようになりました」

ものが増えすぎると人に譲ったりして定期的に処分しているそう。今残っている、「日々の食事で使う」器や道具は、一田さんが暮らす古い一軒家や、自身の和やかな人柄にしっくりとなじんでいる。

どんな料理にもなじむ乳白色のガラスの器。金沢在住のガラス作家・辻和美 さんのガラス大皿は4〜5年前の個展で購入。「乳白色なので、陶器の隣に置いても相性がいい。そうめん、ラタトゥイユ、肉じゃがなど、何でも盛れます」
モダンな雰囲気で手によくなじむ七角箸。取材で知ったという江戸木箸の『大黒屋』(TEL.03-3611-0163)の〈極上七角縞黒檀〉。「手になじみやすく、やや重いので安定感もあります。黒くてモダンな雰囲気も好きです」
食材が目に詰まらない陶製のおろし器。20年近く前に三重県の生活用品店『Jikonca』で購入した年代物の陶製のおろし器。「すった食材の残りが水で流すだけで簡単にとれるのがうれしい。力を入れずに簡単におろせます」
調理中も収納時も場所とらずのやっとこ鍋。15年以上使っている京都『有次』のやっとこ鍋。「アルミなので熱伝導がよくお湯もすぐ沸きます。水分の飛ばし具合もちょうどよく、ほくほく、かつ歯ごたえがある肉じゃがを作れます」

『クロワッサン』1000号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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