「どう? 新番組おもしろかった?」
「いやーまだ定まってないカンジ。もう少し聴かないとわかんないね」
「そうだよね、慣れるのに半年はかかるよね」
先日、ラジオの新番組について友だちと交わした会話。その内容に、我ながらラジオリスナーは辛抱強いなあ、としみじみした。
ラジオの新番組は“慣れる”までに時間がかかる。リスナーはもちろん、パーソナリティーも。番組のぎこちなさが取れ、リスナーの日常にその番組が馴染んだ時、ラジオとリスナー双方の歯車が噛み合って番組が本格的なスタートを切る、と思う。その時まで、ラジオリスナーはジッと待つのだ。
かといって、無理して聴く必要もない。番組がいい雰囲気になってくると自然と耳に入ってくる。SNSで知ることもあれば「おもしろくなってきたよ」と友だちが教えてくれたり。
歯車が回るキッカケもそれぞれ。思わぬハプニングや一通のメールによって番組とリスナーの距離が急に縮まる場合もあるだろうし、出演者のキャラが定まった瞬間に一気に番組が面白くなったりもする。そのタイミングをリスナー全員が待っているのだ。
本当は、ラジオに限ったことではないと思うのだけれど。今は何かと答えをみんなが急ぎすぎているような気がする。「おもしろい」「つまらない」のジャッジはあまり早まらないでほしい。裏を返せば、そのジャッジのスピードで“マンネリ”だからと言って老舗の番組をアッサリ終わらせてほしくもないのだよなあ。