どう摂るとより効果的? 「豆」の栄養学。
健康によい食材も食べ方ひとつで効果は変わってくるもの。知っておきたい栄養の基本を押さえておきましょう。食物学専門の佐藤秀美さんに話を聞きました。
撮影・黒川ひろみ 文・井上健二
イワシやブロッコリーと 合わせて、骨も血管も若返り。
栄養価が高いとはいえ、豆だけでは不足する栄養素も。それを補うため、佐藤さんが豆と一緒に摂ることを勧めるのは、ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンC、ビタミンDの、ビタミントリオ。
「ビタミンAとCには、骨や血管に害を及ぼす活性酸素を取り除く抗酸化作用が。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるほか、免疫活性などにも関わっています」
ビタミンAとCはブロッコリーやパプリカといった緑黄色野菜に多く、いずれも豊富なβ-カロテンが体内でビタミンAに変換される。一日120g(小鉢約2つ分)を食べる目安に。ビタミンDが多いのは鮭やイワシといった魚類、舞茸などのキノコ類。どちらも一日1回は食卓にのせたいもの。
茹でこぼすより、 蒸すと栄養素の損失が少ない。
乾燥した豆の調理では、ひと晩水に浸して戻し、茹でこぼしてアクや渋みを抜くのが一般的。だが、茹でこぼすと、豆から失われてしまう成分もある。
「豆には体内の様々な代謝に関わり、健康維持に欠かせないビタミンB群も多く含まれています。けれどビタミンB群は水溶性なので、茹でこぼすとかなり失われてしまうのです。また、特に大豆に多く、抗酸化作用を示すサポニンも茹でこぼしで損失が生じます」
茹でこぼさなくても、茹で汁を利用しない場合、水溶性の成分は茹で汁に流れ出てしまうことに。
「水溶性の成分をしっかり摂るためには、茹でるより蒸すほうがいいですね。蒸すと味わいも深まって、おいしく食べられます」
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