部屋が整い、前向きになれる。井田式・後回しがなくなる片づけ。
撮影・青木和義 文・嶌 陽子
1.実際と理想の時間の使い方を書き出す。
イライラの原因のひとつには、時間をうまく使えていないことがあるかもしれない。一度、自分が朝起きてから寝るまでをどう過ごしているか、細かく書き出してみることを井田さんは勧める。
「データがあると感情的にならず、自分の生活を客観視できます。何に時間をとられているのかがわかり、見直しにもなる。それをもとに、理想の時間の使い方も書いてみましょう。まずは最低でも3日分。特に気忙しくなる時間帯だけに絞ってみてもいいでしょう」
生活を客観視できる「時間調べ」
2.部屋の写真を撮ってみる。
人は普段、意外と部屋全体を見ていないもの。見たくないものからは無意識に目をそらしている。
「家の中の写真を撮ることをおすすめします。写真で初めて部屋全体を客観的に見ることができ、『どうしてここにあるんだろう』と思うものにも気づく。部屋を『お客様目線』で見ることが大事です」
最初に撮った写真は、片づけた後も捨てずに保存しておくといい。
「ビフォーアフターのビフォーを時々見ることで、『もうこんな状態には戻りたくない』と思えます」
3.持っている数を数える、モノの枠を決める。
「『たくさんある』だけだと漠然としすぎていて、どう解決すべきかがわからない。数えることで、それが自分の暮らしに合っているのか、具体的に考えられます」
そのうえで大事なのは、自分の生活に合った定数や定位置、つまり“枠”を決め、そこからモノがはみ出さないようにすること。
「枠からはみ出し、空いているすき間にモノを置くようになると、途端に部屋が乱れ始めます。覚えられる量だけ持つことが大事。持っているものを把握すれば、余計なものを買わずにすむからです」
4.モノをはがして平面、直線を出す。
キッチンカウンターや冷蔵庫の扉、ダイニングテーブルの上。空いているスペースには、つい何かを置いたり貼ったりしがち。「一度、すべてのものを取り払ってみましょう。掃除や作業をするのが驚くほど楽になることに気づくはず。また、目に入る情報が多すぎると、無意識のうちにストレスになるものです。何もない平面や直線を見ることで、気持ちも穏やかになる。その状態をキープしたくなりますよ」
5.小さなところから始める。
「大規模な断捨離を目的にしてしまうと、途中で挫折したり、その後、維持するのがつらくなってリバウンドしてしまう危険も。まずは自分の身の回りから、少しずつ片づけてみるといいでしょう」
「引き出しひとつ」「15分だけ」などと決めて取り組んでみよう。完璧を目指さず、「これだけできたからよし」と思うことも大切だ。
「最初は、調理道具、文房具類など、思い出が絡まない実用品から手をつけるのがおすすめです。1カ所でも整って達成感が得られると、次への意欲も高まって、片づけが習慣化していきます」
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