我が家には宝物のカセットテープがある。それは、小学4年生の頃に友人たちと遊びで作った「プッツンラジオ」というラジオ番組を録音したテープ。番組名はもちろん当時子どもに大人気だった「鶴ちゃんのプッツン5」からつけたものだ。
メンバーはだいたいいつも同じで、フミちゃん、ミヨちゃん、マリちゃん、ノンちゃん。あとはその場にいた友達が入れ替わり、立ち替わり。恥ずかしがってただ見ているだけの子もいた。
“放送作家”なんて職業は知らなかったけれど、番組の構成を考える役割はいつもわたし。オープニングトークと自己紹介、中継をいくつか挟んでニュース。ラジカセの再生ボタンと録音ボタンを「ガチャン!」と同時に押すと、カセット録音が始まる。クスクス笑いながら、照れながら。聴いている方がもどかしくなるような番組だけれど、これがなかなか面白かった。
ある時はザルにあずきを入れてザアザアと音を出し、海水浴場からの中継としてみたり、もうひとつのラジカセから“光GENJI”のテープを流しコンサート会場からの中継としてみたり。ニュースは新聞からめぼしい記事を選りすぐり、語尾を「ですます」に変えて紙面を読んだ。最後にはなぜか競馬情報。小学生からすれば、競走馬の名前はどれも面白くて、ケタケタ笑い転げながら読んだものだ。
家庭用ビデオが我が家にやってくると、さっそく衣装を用意して、テレビ番組作りにも励んだ。
今思えば……コレってユーチューバーのハシリなのかしら?